山口大神宮

山口大神宮

山口大神宮は、山口県山口市にある神社で、「西のお伊勢さま」として知られています。旧社格は県社。

由緒

その歴史は、永正17年（1520年）に大内氏30代当主・大内義興が伊勢神宮の神霊を勧請したことに始まります。大内義興は、足利義稙を奉じて上洛し、管領代として幕政を執行した際に伊勢神宮に参拝しました。帰国後、勅許を得て伊勢神宮を勧請する準備を始め、高嶺東麓を社地と定めました。

永正16年（1519年）に外宮、翌年に内宮が造営され、後柏原天皇の勅許を得て伊勢神宮の神霊が鎮座しました。当初は高嶺神明と称されましたが、後に「高嶺太神宮」「今伊勢」と呼ばれるようになりました。

当時の伊勢神宮は財政難に苦しんでおり、式年遷宮が中断していました。その一方で、庶民の間では伊勢信仰が広まり、各地に神明神社が創建されていました。山口大神宮の勧請もその流れを受けたものでしたが、江戸時代まで、伊勢神宮より勅許を得て神霊の勧請を受けたのは当社だけでした。

江戸時代に伊勢信仰が盛んになると、山口大神宮には西日本各地から多くの参拝者が訪れました。現在も参道脇には多くの石碑が残っています。

昭和3年に県社に列せられ、社名を高嶺神社としましたが、昭和22年に現在の山口大神宮に改称しました。

境内

境内には伊勢神宮と同様に内宮と外宮があり、それぞれに別宮・摂社が附属しています。これらの社殿は隣接して建っており、石段を降りた所には祈祷などが行われる神楽殿があります。

内宮: 主祭神は天照大御神、配祀は天手力男命・萬幡豊秋津姫命
内宮別宮 荒祭宮: 祭神は天照大御神荒魂・瀬織津姫命
内宮摂社 恵美須社: 祭神は事代主命
外宮: 主祭神は豊受大御神、配祀は天津彦彦火瓊々芸命・天児屋根命・天太玉命・建御名方神・八坂刀自命
内宮別宮 多賀宮: 祭神は豊受大御神荒魂・伊吹戸主神

境内にはその他、摂社の多賀神社、末社の高嶺稲荷神社があり、鴻ノ峰中腹には岩戸社があります。鴻ノ峰登山口は外宮の前にあり、岩戸社までは徒歩約10分です。

多賀神社: 主祭神は伊弉諾尊・伊弉冉尊、配祀は天照大御神・素戔嗚命・少名彦名神・火具土神・国常立命・応神天皇・菅原道真命・大内教弘命
高嶺稲荷神社
岩戸社: 祭神は天照大御神・天手力男命

祭事

当初は伊勢神宮と同様の式年遷宮が行われていましたが、戦乱などにより延期や簡略化されることもありました。明治以降は明治12年、明治35年に行われましたが、その後一時中断し、昭和35年に社殿建替が行われ、平成12年（2000年）に式年遷宮が行われました。内宮・外宮の敷地の横には式年遷宮の際の古殿地があります。

交通アクセス

山口駅からバスで約5分、県庁前バス停下車。徒歩約5分。
山口駅から徒歩約25分

山口大神宮は、豊かな歴史と美しい自然に囲まれた、参拝者に心の安らぎを与える場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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