山口自転車

山口自転車：かつて存在した自転車とオートバイの名門

山口自転車（やまぐちじてんしゃ）は、1914年に創業された日本の企業で、自転車とオートバイの製造を手掛けていました。創業者である山口重彦の名字を社名に掲げ、東京都台東区を本社とし、埼玉県川口市に工場を構えていました。

会社の歴史と発展

会社は大正3年に設立されて以来、長い間自転車の制作に注力しました。日本における自転車文化の発展とともに成長を続け、特に戦前は多くの消費者に支持されてきました。しかし、戦後は新たな挑戦として、1953年からオートバイの製造に乗り出します。この新たな分野への進出は、会社にとって重要な転機となりました。

オートバイにおいても一定の成功を収め、当時の市場で現存する四大メーカーと互角に渡り合うほどの販売を誇りました。しかし、1963年には過当競争や市場環境の変化などにより、会社は経営危機に直面し倒産することになります。

経営再編とその後

倒産後、山口自転車は丸紅の傘下に入り、「丸紅山口株式会社」と社名を変更しました。この時期には、実用車「山口ベニー号」やランドナー「山口ベニックス」という製品が生まれ、一定の評判を得ることになります。しかし、1982年には丸紅が資本を引き揚げることになり、関根自転車が新たに資本参加します。これを経て、最終的には「三和自転車工業株式会社」という名称に改良されました。

1986年、三和自転車工業の常務であった小河原弘光は、工場とともに独立し、現在の「アサヒサイクル」を設立しました。なお、このアサヒサイクルは「サイクルベースあさひ」とは無関係であることが強調されています。

関連情報

山口自転車の創業社長である山口重彦の娘である山口シヅエは、衆議院議員としても知られています。彼女もまた、山口自転車の歴史の一端を担っている存在です。

このように、山口自転車はその歴史を通じて、日本の自転車とオートバイ産業において重要な役割を果たしてきましたが、過酷な市場競争の中で数度の経営変遷を経験しました。その成果は、今もなおアサヒサイクルの名で引き継がれています。

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