山口茂吉

山口茂吉の生涯と業績

山口茂吉（やまぐち もきち、1902年4月11日 - 1958年4月29日）は、日本の昭和期に活躍した歌人です。彼の生涯は、歌道への情熱や多くの友人との交流を通じて豊かなものとなりました。

初期の人生

茂吉は兵庫県多可郡杉原谷村清水（現・多可町）で生まれました。彼の教育は主に中央大学の商学部で受け、1924年に卒業後は明治生命東京本社に就職しました。当時、会社内には著名な作家の水上瀧太郎が勤務しており、茂吉は彼から多くの影響を受けながら成長していきました。

歌道との出会い

同じ年に彼は歌誌「アララギ」に入会し、島木赤彦から教えを受けました。赤彦が亡くなると、彼は斎藤茂吉に師事することになり、歌道の真髄を学びました。茂吉は、斎藤茂吉や土屋文明の助手として、歌誌の編輯や校正にも携わり、その才能を発揮しました。

職業生活と活動の変遷

1944年には明治生命を退職し、その後株式会社住友本社での職務に就きました。歌人としての活動にも熱心で、1946年には東京歌話会を結成し、歌道の発展に寄与しました。1948年には歌集「アザミ」を創刊し、歌人としての地位を確立しました。彼はまた、1957年以降は「斎藤茂吉全集」の編集校訂にも関わり、師の業績を広める努力を続けました。

人間関係と影響

茂吉は師匠である斎藤茂吉と名前が同じであったため、「小茂吉」とも呼ばれることがありました。彼はまた、歌人の岡麓や中村憲吉、さらには画家の平福百穂など、芸術的な友人たちとも深い関係を築いていました。また、歌道の弟子として加藤淑子を育てたことも、彼の名声を高める要因の一つです。

作品集

山口茂吉は、数多くの歌集をまとめています。彼の代表作には以下のようなものがあります：

• - 第1歌集『杉原』（1942年、墨水書房）
• - 第2歌集『赤土』（1941年、墨水書房）
• - 第3歌集『海日』（1946年、青磁社）
• - 第4歌集『高清水』（1951年、長谷川書房）
• - 第5歌集『鐵線花』（1960年、新星書房）
• - 編著『斎藤茂吉』（1958年、雄鶏社）

彼の作品は、歌道の深い理解と豊かな表現力をもって多くの読者に感動を与えました。

参考文献

彼の業績を詳しく知るための参考文献として、加藤淑子の著作集（2009年、みすず書房）や、山口茂吉の日記（2002年、翻刻の会）があります。これらの資料は、彼の歌人としての成長や人生観をより深く理解する手助けとなるでしょう。

山口茂吉は、昭和期の歌道に多くの足跡を残した歌人であり、彼の作品や思想は、現代においても多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索