山岡萬之助

山岡萬之助の生涯と業績

山岡萬之助（やまおか まんのすけ）は、1876年の4月12日に長野県の農家に生まれました。彼は幼少期から教育に興味を持ち、小学校卒業後には漢学を学び、1896年に上京して東京簿記専修学校に入学。その翌年には日本法律学校に進学しました。1899年に日本法律学校を卒業し、司法官試補として浦和地方裁判所熊谷支部での勤務を開始しました。彼は早くも1901年に第2回判事検事登用試験で首席合格を果たし、その後東京区裁判所判事に昇格します。

1906年には東京地方裁判所判事となり、日本大学の最初の留学生としてドイツに留学。ミュンヘン大学、ライプツィヒ大学、ベルリン大学で学び、1909年にライプツィヒ大学から法学博士の学位を取得して帰国しました。1910年には東京地方裁判所検事を経て、日本大学の教授に就任し、大正期には学監、大正12年には学長に就任します。また、昭和に入ると日本大学第3代総長および初代総裁に就任しました。彼のリーダーシップのもと、日本大学は多くの革新をもたらしました。

山岡は官吏としても多くの役職を歴任しました。1920年からは司法省の大臣官房保護課長をはじめ、監獄局長、新設の治安維持法の原案作成に関与しました。昭和初期には内務省警保局長として重要な役割を果たし、赤狩りに関与したことで「赤狩りの権威」と呼ばれることもありました。また、家族をも含む多くの市民の自由が制限される時代にあって、彼の行動は多くの賛否を呼びました。

昭和6年には東京弁護士会会長に就任し、忙しい政治生活を続けながら1934年には勲一等瑞宝章を受けるなど、彼の業績は評価されました。

戦後は貴族院議員を辞し、その後公職追放を受け、1946年には日本大学の総長・総裁を辞任しますが、1951年に追放が解除され、名誉総長となりました。彼は大学における教育と研究の深化に尽力し、昭和の学問界に影響を与え続けたのです。

1968年の6月22日に亡くなるまで、山岡は教育と法学において数多くの著作を残しました。主な著作には『刑法原理』『刑事政策学』『刑法大意』などがあります。これらの書籍は、今日においても法学教育の基盤として重要な役割を果たしています。彼の遺した知識と理論は、日本の法制度に多くの影響を与え、現代の法学の礎を築く一助となっています。

山岡萬之助の生涯は、彼自身の努力と情熱、そして彼が関わった組織の発展が複雑に絡み合ったものです。彼の功績は日本大学の発展に大きく寄与し、今なお多くの人々に記憶されています。

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