山崎巌

山崎 巌 – 日本の内務官僚・政治家

山崎巌（やまざき いわお、1894年9月16日 - 1968年6月26日）は、日本の内務官僚及び政治家としての重要な経歴を持つ人物である。内務三役を果たした後、内務大臣や自治大臣、国家公安委員会委員長などの要職を歴任し、日本の戦後政治に深く関与した。その実兄である山崎達之輔も、農林大臣や逓信大臣として名を馳せた。

生い立ちと教育

福岡県大川市に生まれた山崎巌は、福岡県立中学伝習館や第五高等学校を経て、1918年に東京帝国大学法学部法律学科を卒業した。この教育背景が彼のその後の官僚としてのキャリアに大きな影響を与えた。

内務官僚としてのキャリア

1918年に内務省に入省後、山崎は厚生省の社会局長、静岡県知事、内務省土木局長、警保局長などを歴任した。1940年には警視総監に就任し、企画院事件などの重要な捜査に携わった。特に東條内閣のもとでは内務次官を務め、帝国議会対策において兄である達之輔を介して期待される役割を果たした。

政治家としての活動

終戦後、彼は1945年に東久邇宮内閣の内務大臣に就任し、様々な立場で国の運営に関与することとなった。この在任中には、マッカーサーによる昭和天皇の訪問の際の写真掲載禁止の指示などが議論を呼び、GHQとの対立が生じることとなった。また、彼は治安維持法の維持を重視し、政治犯の釈放に反対する立場を取ったため、結果的に罷免され公職追放の憂き目に遭った。

公職追放の後は、1948年に衆議院不当財産取引調査特別委員会に証人喚問されるなど、厳しい時期を過ごすこととなった。しかし、1952年に追放が解除されると、第25回総選挙に戦前の政友会の地盤を引き継いで自由党公認で立候補し、見事に当選を果たした。以降は自由民主党に所属し、政治の舞台で再び活躍することになった。1960年には池田勇人が自由民主党総裁になると、山崎は自治大臣兼国家公安委員会委員長に任命されるも、同年の浅沼稲次郎暗殺事件を受けて辞任に追い込まれた。

晩年と死去

山崎巌は1968年6月26日に73歳でこの世を去った。彼の生涯は、日本の内務官僚や政治家としての重要な変遷と、戦後日本の政治に多大な影響を与えたことを物語っている。

家族・親族情報

彼の兄である山崎達之輔は衆議院議員や農林大臣、逓信大臣として著名であり、家族には他にも多くの著名な公職者が存在した。妻は内務官僚であった文子で、彼らの子孫も政治や農林行政に深く携わっていることが知られる。

栄典

山崎は1940年に紀元二千六百年祝典記念章を受章している。彼の生涯は多くの波乱に満ち、政治的役割を果たしつつ張り詰めた時代を生き抜いた。

もう一度検索