山崎覚次郎

山崎覚次郎は、慶応4年6月15日（1868年8月3日）に生まれ、昭和20年（1945年）6月28日に没した、日本の経済学者です。法学博士の学位を持ち、東京帝国大学経済学部長を歴任しました。専門は貨幣論、金融論であり、その分野で多大な業績を残しました。

静岡県掛川に、父・徳次郎の長男として生を受けた山崎は、冀北学舎で学んだ後、明治22年（1889年）に東京帝国大学政治科を卒業。その後、大学院で研究を続けました。

東京帝大法科助教授、経済学部教授などを経て、経済学部長に就任。社会政策学会では指導的な役割を果たし、退官後は中央大学教授、日本銀行顧問、金融学会初代理事長を歴任しました。また、1913年（大正2年）5月29日には、帝国学士院会員に選ばれています。

山崎の教え子の一人である賀屋興宣（後に大蔵次官、大蔵大臣）は、山崎の貨幣論に深く感銘を受け、その理論に基づいて日本銀行法を制定したと述べています。山崎の墓所は染井霊園にあります。

山崎は、その功績により、1924年（大正13年）6月30日に勲二等瑞宝章を、1927年（昭和2年）10月15日には従三位を授与されました。

著作としては、『貨幣銀行問題一斑』や『限界効用学説史』などがあります。これらの著作は、当時の経済学界に大きな影響を与えました。

親族関係も多岐に渡り、妻の千代は法学博士の桑田熊蔵の妹です。四男の英吉の妻である富美子は、日本商工会議所会頭や王子製紙社長を歴任した足立正の次女です。六男の徳郎は静岡大学文理学部助教授を経て教育学部教授となり、その妻は文部大臣の一木喜徳郎の孫娘である尾崎孝子です。また、桑田熊蔵の娘である二葉は、英吉と徳郎の従姉妹にあたり、自民党町村派領袖の町村信孝の母でもあります。

山崎覚次郎は、経済学者としての業績だけでなく、その幅広い人脈も特筆すべき点です。彼の理論は、日本の金融政策に大きな影響を与え、その教えは多くの後進を育てました。

山崎の業績は、現代の経済学研究においても重要な参考資料となっています。彼の思想や理論は、現代社会においてもその意義を失っておらず、今後も研究され続けるでしょう。

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