桑田熊蔵

桑田熊蔵の生涯と業績

桑田熊蔵は、1868年（明治元年）に鳥取県倉吉市で大地主の長男として生まれました。東京大学法学部を卒業後、大学院で労働問題を専門に研究し、法学博士の学位を取得しました。彼は、社会政策学会の創設メンバーの一人であり、社会問題研究のためヨーロッパへ留学しました。

帰国後、桑田は労働者の実態調査に尽力し、その結果を基に、工場法制定に向けて積極的に活動しました。また、中央大学教授や経済学部長を歴任し、後進の育成にも貢献しました。

1904年（明治37年）には、鳥取県多額納税者として貴族院議員に選出され、2期14年間にわたりその任を務めました。この間、友愛会、中央慈善協会、協調会、日本赤十字社などの役員も務め、社会福祉活動にも積極的に参加しました。

桑田熊蔵は、法学者としてだけでなく、社会活動家としても幅広い分野で活躍しました。彼の残した功績は、今日の労働法制や社会福祉の基礎を築く上で、大きな影響を与えたと言えるでしょう。1932年（昭和7年）12月10日に63歳で亡くなり、多磨霊園に眠っています。

業績詳細

労働問題研究: 桑田は、労働問題に関する研究の先駆者であり、ヨーロッパ留学で得た知見を基に、日本の労働者の実態を調査し、その改善に努めました。
工場法制定: 彼は、工場法制定に向けて積極的に活動し、その実現に大きく貢献しました。工場法は、労働者の権利を保護し、労働環境を改善するための重要な法律です。
社会政策学会: 桑田は、社会政策学会の創設メンバーの一人として、社会問題に関する研究を推進しました。
教育活動: 中央大学教授や経済学部長として、多くの学生を育成しました。
貴族院議員: 彼は、貴族院議員として、社会問題に関する政策提言を行いました。
社会福祉活動: 友愛会、中央慈善協会、協調会、日本赤十字社などの役員として、社会福祉活動にも積極的に参加しました。

主な著書

『欧洲労働問題の大勢』有斐閣、1899年。
『工業経済論』有斐閣、1907年。
『工場法と労働保険』最近経済問題、隆文館 、1908年。
『欧洲最近の社会問題』有斐閣書房、1917年。
『欧洲戦後の社会運動』有斐閣、1923年。
『法学博士桑田熊蔵遺稿集』桑田一夫編、桑田一夫、1934年。
『法学博士桑田熊蔵遺稿集 伝記・桑田熊蔵』伝記叢書、桑田一夫編、大空社、1989年。

監修

『すぐ頭に入る刑法精解』一心社、1936年。
『すぐ頭に入る民法精解』一心社、1936年。
『新会社法精解』テンセン社、1938年。

親族

桑田の娘である二葉は、官僚・政治家の町村金五に嫁ぎました。また、金五の次男は官僚・政治家の町村信孝です。もう一人の娘・千枝子は、河合良成に嫁ぎ、良一の母となりました。また、弟には東大教授の桑田芳蔵、阪大教授の桑田六郎がいます。

栄典

1932年（昭和7年）12月10日 - 昭和六年乃至九年事変従軍記章
1916年（大正5年）11月28日 - ロシア帝国：神聖スタニスラス星章付第二等勲章

参考資料

衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
とっとりデジタルコレクション--桑田熊蔵
協同組合人物略伝(桑田熊蔵)
桑田熊蔵の墓

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