山崎貝塚 (千葉県)

山崎貝塚は、千葉県野田市山崎貝塚町に位置する、縄文時代中期から晩期にかけての馬蹄型貝塚であり、国の史跡として指定されています。

位置と概要

野田市の市街地南郊、利根川と江戸川に挟まれた南北に細長い「野田丘陵」に立地しています。現在の海岸線から約26キロメートル内陸に位置し、台地が小さな谷によって開析された場所にあります。貝塚は幅約30メートルのベルト状に隆起しており、全体で直径約150メートルに及びます。このベルト状の隆起は谷側とその反対側で開口しており、半円弧が向かい合うような形状をしています。

発見と調査

山崎貝塚は、1892年（明治25年）に若林勝邦（東京帝国大学助手）によって学会に初めて報告されました。1927年（昭和2年）には、東京人類学会が発掘調査を実施し、アサリやハマグリ（海水で生育）の貝層と、ヤマトシジミ（海水と淡水が混ざる場所で生育）の貝層が近接していることを確認しました。また、各貝層から出土する土器の種類に違いがあることも判明しました。これらの発見から、かつてこの地域に海水が侵入していた時期があり、その後徐々に海面が低下して現在の地形になったことが示唆されました。

出土品と遺跡の性格

1960年（昭和35年）5月以降、縄文人の人骨が出土しています。また、22軒の竪穴建物跡が検出されており、貝塚を伴う集落跡であることがわかっています。縄文時代中期中葉から後期、そして晩期前葉にかけての様々な形式の土器が出土しており、このことは、長期間にわたって安定した集落が営まれていたことを示しています。

史跡指定

1976年（昭和51年）12月23日に国の史跡に指定され、1995年（平成7年）1月30日には追加指定が行われ、史跡の範囲が拡大しました。

所在地とアクセス

所在地：千葉県野田市山崎貝塚町26-4ほか
アクセス：東武野田線（東武アーバンパークライン）梅郷駅から徒歩25分

参考文献

[野田市]] (PDF) [縄文時代の貝塚
[野田市]][指定文化財一覧 > 国指定 > 山崎貝塚

関連項目

日本の貝塚一覧
関東地方の史跡一覧
千葉県の貝塚の一覧
千葉県の史跡一覧
縄文時代の遺跡一覧
房総の魅力500選

山崎貝塚は、縄文時代の生活や環境を知る上で貴重な遺跡であり、その保存と研究が今後も期待されます。

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