山手 (横浜市)

横浜山手：異国情緒と歴史が息づく丘

横浜市中区の山手は、狭義にはかつての外国人居留地である山手町を指し、広義にはその南側一帯を含む地域です。この地は、高級住宅街としての顔を持つ一方、観光地としても人気が高く、その魅力は多くの人々を惹きつけています。

歴史的背景

山手は、元町や石川町の南側の高台に位置しています。19世紀後半、開港後の横浜で、山手は外国人居留地として発展しました。当初、山下居留地が先に設けられましたが、湿気が多かったため、より環境の良い高台に注目が集まりました。1861年、幕府は高台の一部を各国領事館用地として貸与し、その後、イギリス軍とフランス軍が駐留するようになりました。

1866年の「慶応約書」によって山手居留地の造成が決定し、1867年には外国人居留民のための住宅や学校が建てられました。山手居留地は、山下居留地とは異なり、横浜区や周辺の村には属さない特別な区域として扱われました。1884年には、26の町が設けられましたが、1899年の条約改正によって外国人居留地は廃止され、これらの町は「山手町」として統合されました。

関東大震災で大きな被害を受けたものの、山手の異国情緒あふれる景観は変わらず、現在も多くの観光客が訪れています。

現在の山手

山手町は、丁目を持たない単独町名であり、住居表示は未実施です。この地域は高級住宅街として知られ、地価も高い水準を維持しています。

観光スポット

山手には、数多くの観光スポットがあります。

港の見える丘公園: 横浜港を一望できる絶景スポットです。
神奈川近代文学館: 神奈川県の文学に関する資料を展示しています。
大佛次郎記念館: 作家・大佛次郎の業績を伝える記念館です。
横浜市イギリス館: 英国風の建築が美しい歴史的建造物です。
山手111番館: 大正時代に建てられた洋館です。
横浜外国人墓地: 外国人のお墓が並ぶ場所で、異国情緒を感じられます。
山手資料館: 山手の歴史に関する資料を展示しています。
岩崎博物館: 貿易商・岩崎家のコレクションを展示しています。
ブリキのおもちゃ博物館: 懐かしいブリキのおもちゃが展示されています。
ヨコハマ猫の美術館: 猫をテーマにした作品を展示しています。
山手イタリア山庭園: イタリア風の庭園が美しい場所です。
外交官の家: 明治時代に建てられた外交官の邸宅です。
ブラフ18番館: レトロな洋館で、当時の生活を偲ばせます。
山手公園: 広い敷地を持つ公園で、散策に最適です。
元町公園: 歴史的な洋館が点在する公園です。
エリスマン邸: スイス人貿易商の邸宅で、内部を見学できます。
ベーリック・ホール: スペイン風の建築が特徴的な洋館です。
山手234番館: 大正時代に建てられた外国人向けの共同住宅です。

これらの他にも、カトリック山手教会、横浜山手聖公会などの歴史的な教会や、フェリス女学院大学、横浜雙葉中学校・高等学校などの学校施設も山手にあります。

山手三塔

カトリック山手教会の鐘塔、山手聖公会のベルタワー、横浜雙葉学園の小尖塔は、「山手三塔」と呼ばれ、山手の景観を特徴づける存在です。

交通アクセス

山手へのアクセスは、根岸線石川町駅やみなとみらい線元町・中華街駅から徒歩、または横浜市営バス、観光路線バス「あかいくつ」、神奈川中央交通バスなどのバスを利用します。根岸線山手駅は、実際の山手町からは離れた場所にあります。

文化的な影響

山手は、映画やテレビドラマの舞台としても度々登場しており、その異国情緒あふれる風景は、多くの作品に影響を与えています。

まとめ

山手は、歴史と文化が交錯する魅力的な場所です。異国情緒あふれる街並み、数々の歴史的建造物、美しい自然が調和し、訪れる人々を魅了し続けています。横浜を訪れる際には、ぜひ山手の散策を楽しんでみてください。

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