山手学院中学校・高等学校

山手学院中学校・高等学校（やまてがくいんちゅうがっこう・こうとうがっこう）は、神奈川県横浜市栄区上郷町に校舎を構える私立中学校・高等学校です。中学校と高等学校が連携した一貫教育を提供しており、地域社会において長年の歴史と伝統を持っています。

学校の成り立ちと特色

本校は、神奈川県で広く知られる有隣堂書店と深い関わりがあります。学校の創設者である江守節子氏と松信幹男氏は、有隣堂書店創業者のご子息・ご息女にあたり、現在の理事長・学院長もまた創業者のご家族が務めています。このような背景から、地域文化に根差した教育を目指している側面がうかがえます。

建学の精神と教育方針

山手学院の教育理念は、「未来への夢を育み、その実現に向けて力強く歩める人間」、すなわち「世界を舞台に活躍し、国際社会から信頼される人物」を育成することにあります。この崇高な目標を達成するため、教育の基盤として「三本の柱」を定めています。

三本の柱は、以下の要素から成り立っています。

1. 国際交流（Global Understanding and Cultural Exchange）
異なる文化や背景を持つ人々を理解し、尊重する姿勢を育みます。
2. 教科教育／進路指導（Learning for Life）
生涯にわたって学び続ける意欲と能力、そして自らのキャリアを主体的に設計する力を養います。
3. 誠人教育（The 3 Cs）
思いやりの心と誠実な態度、そして困難に立ち向かう勇気を兼ね備えた人間性を磨きます。Courtesy（礼儀正しさ）、Compassion（真心・思いやり）、Courage（勇気）の頭文字を取ったものです。

これら三本の柱の中心にあるのは、「Wise Freedom」という独自の理念です。これは、単なる自由奔放さではなく、自らの尊厳を大切にすると同時に、他者の尊厳と自由も深く尊重する精神に基づいた、思慮深く責任ある自由を意味しています。

豊かな国際交流プログラム

建学の精神にも明記されているように、国際感覚豊かな人材育成は山手学院の教育の核の一つです。具体的な国際交流プログラムとして、中学3年次にはオーストラリア、高校2年次には北米への修学旅行を実施しており、生徒たちは現地でのホームステイを通じて異文化に触れ、実践的なコミュニケーション能力を高めます。また、海外から日本の高校生を招く「リターンヴィジット」も定期的に実施し、国際的な相互理解を深める機会を創出しています。

学校法人の前身が英語塾であった歴史から、現在も英語教育には特に力を入れています。中学段階では、オーストラリア研修に備え、イギリス英語に焦点を当てた特別授業も行われています。

希望者を対象としたプログラムとして、中学3年および高校1年の夏休み期間には、シンガポールのACSインターナショナルスクールでの授業参加や、現地生徒とのディスカッション、プレゼンテーションを行う機会も提供されています。

沿革の概要

山手学院は1966年（昭和41年）に男子中学校として設立され、当初は入寮が義務付けられていました。1969年（昭和44年）には高等学校が設置され、男女共学化が実現しました。同時期に現在も続くアメリカ研修旅行が始まっています。1970年（昭和45年）には全寮制となりましたが、1980年（昭和55年）に高等学校で、次いで1982年（昭和57年）に中学校で通学制が導入され、教育形態に変化が見られました。その後も、1986年（昭和61年）の高等学校理数コース設置や、2002年（平成14年）の週5日制導入など、時代に合わせた教育内容の改善が進められてきました。2010年（平成22年）には併設型中学校・高等学校として認可を受け、この年から中学入学者は高校進学時に外部からの入学者と混ざらない、一貫クラス編成での学びが開始されました。

学校生活とアクセス

運動部・文化部ともに多様な部活動があり、生徒たちは学業と並行して様々な活動に取り組むことができます。

交通アクセスとしては、JR根岸線 港南台駅より徒歩圏内に位置しており、バス路線も利用可能です。

著名な出身者（一部抜粋）

• - 石井苗子（参議院議員、俳優）
• - 高原豪久（ユニ・チャーム社長）
• - 鈴木恒則（オンワード樫山代表取締役社長）
• - 日下部正樹（TBSテレビジャーナリスト）
• - 浅葉彩（アナウンサー）
• - 水谷徹（サントリービール代表取締役社長）
• - 木高イサミ（プロレスラー）
• - 土居愛実（セーリングオリンピック選手）
• - 紫月杏朱彩（声優）

これらの情報は、学校の公式情報や記念誌等に基づいています。

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