山本三郎

山本三郎

山本三郎（やまもと さぶろう、1909年11月17日 - 1997年10月15日）は、日本の建設官僚、経営者であり、工学博士の学位を持つ人物です。彼は、日本の国土開発と治水事業に多大な貢献をしました。

生涯

山梨県に生まれた山本は、1933年に東京帝国大学工学部土木工学科を卒業後、内務省土木局に入省しました。その後、関東地方建設局の各所長を経て、1956年には建設省河川局長に就任。1960年には建設省技監、1961年には建設事務次官と、建設行政の中枢を担いました。1963年に建設省を退官した後も、土木学会会長（1963年 - 1964年）を務めるなど、土木工学の発展に尽力しました。

退官後は、1964年に三井港湾開発社長に就任し、民間企業での経営手腕を発揮。1974年には、水資源開発公団総裁に就任し、1982年までその職を務めました。1997年に87歳で亡くなるまで、その生涯を国土開発と社会基盤整備に捧げました。

業績

山本三郎の最大の業績は、治水事業における貢献です。彼は、特定多目的ダム法、海岸法、地すべり等防止法、治山治水緊急措置法といった、現代の国土保全に不可欠な法律の制定に深く関わりました。特に、1963年に制定された新河川法においては、その中心的な役割を担い、近代的な河川管理の基礎を築きました。彼のこれらの業績は、日本の治水事業の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

また、博士学位論文「河川法全面改正に至る近代河川事業に関する歴史的研究」は、その学術的な価値が非常に高く評価され、1994年には前田工学賞を受賞しました。さらに、1996年には、その功績が認められ、文化功労者として顕彰されました。

著書

山本三郎は、その専門知識と経験を活かし、多くの著作を世に残しました。主な著書としては、以下のものが挙げられます。

編『河川工学』朝倉書店、1958年。
『上善如水 : 川のくに水のくにの来し方行く末 : 山本三郎今昔咄』新公論社、1992年。

これらの著書は、土木工学や河川管理に関する貴重な資料として、現在でも広く活用されています。

栄典・受賞

山本三郎は、その長年にわたる功績に対し、数々の栄典と賞を受章しています。

1984年 勲一等瑞宝章
1994年 第一回前田工学賞（博士学位論文「河川法全面改正に至る近代河川事業に関する歴史的研究」東京大学）
* 1996年 文化功労者

これらの栄典と受賞は、山本三郎の業績が社会的に高く評価されていたことを物語っています。

まとめ

山本三郎は、建設官僚、経営者、そして研究者として、日本の国土開発と治水事業に多大な貢献をした人物です。彼の功績は、現代の社会基盤を支える上で欠かせないものであり、その名前は後世に語り継がれることでしょう。1000文字以上1400文字程度。

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