山本健兒

山本健兒（やまもと けんじ）

山本健兒（1952年 - ）は、日本の経済地理学者。九州大学経済学研究院特任研究者、同大学名誉教授。産業配置論、経済地理学、社会地理学を専門とする。

経歴

新潟県に生まれ、新潟県立長岡高等学校を経て、1974年に一橋大学社会学部を卒業。1980年、東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了。1977年から1979年まで、ドイツ学術交流会 (DAAD) の奨学生としてミュンヘン工科大学に留学。

高知大学人文学部を経て、法政大学経済学部の教員として経済地理などを担当。1988年から1990年には、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団の研究員として再びミュンヘン工科大学で研究に従事した。

1993年、「現代ドイツにおける企業の立地行動」に関する研究で東京大学から博士（理学）の学位を取得。2000年度にはフィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞している。

2006年、九州大学大学院経済学研究院教授に就任。2011年から2013年まで、九州大学経済学研究院院長（経済学部長、経済学府長）を務めた。2012年からは経済地理学会会長も務めた。

2017年に九州大学を定年退職後、帝京大学経済学部地域経済学科教授に転じ、2022年まで在籍。2022年からは、九州大学経済学研究院特任研究者として活動している。

研究への評価と批判

ドイツにおけるフィールドワークに基づいた産業立地、労働力需給分析、産業と連動した都市形成などの実証的研究で高い評価を得ている。研究費獲得状況や受賞歴が示すように、研究成果は広く認められている。しかし、1997年には、ドイツにおけるトルコ系労働者をめぐり、内藤正典から論文に対する批判を受けている。また、経済地理学会の運営に関わる中で、水岡不二雄から学会運営をめぐる対立から批判を受けている。

主な著書

単著

現代ドイツの地域経済 : 企業の立地行動との関連、法政大学出版局、1993年
経済地理学入門、大明堂、1994年
経済地理学入門 新版、原書房、2005年
国際労働力移動の空間 : ドイツに定住する外国人労働者、古今書院、1995年
産業集積の経済地理学、法政大学出版局、2005年
「隠れたチャンピオン」を輩出する地域: 欧州における小規模農村的地域の事例、古今書院、2024年

共編著

* （伊東維年、柳井雅也との共編著）グローバルプレッシャー下の日本の産業集積、日本経済評論社、2014年

外部リンク

経済学研究院 産業・企業システム部門 産業システム講座 山本健兒

もう一度検索