山本条太郎

山本 条太郎について

山本条太郎（やまもと じょうたろう、1867年11月6日 - 1936年3月25日）は、日本の実業家および政治家であり、特に南満洲鉄道（満鉄）の社長として知られています。彼は福井藩士の家に生まれ、幼少期を通じて多くの影響を受けながら成長しました。

経歴の始まり

彼は越前国福井城下、現在の福井市で福井藩士・山本条悦の長男として誕生しました。彼が生まれた数日後、王政復古の大号令により廃藩となり、家族で東京へ移住します。そこで松平家に住むことになり、同家の子供たちと交流を持ちながら育ちました。また、母を9歳で亡くした後、一時期叔母夫妻のもとで生活しました。

学問を受ける機会に恵まれた彼は、明治13年に礫川小学校を卒業した後、進学を目指しましたが、病気のために共立学校を中退します。その後、叔父の紹介で三井物産に入社し、商業の世界に足を踏み入れることになりました。

三井物産での活躍

彼は三井物産での仕事に着実に成果を上げ、やがて本店に転任。しかし、道楽に耽った結果、商船「頼朝丸」の乗務に左遷されることとなります。1891年に上海支店勤務に移り、その実力を認められ1901年には上海支店長に就任します。帰国後は常務取締役に昇進しますが、1914年に発生したシーメンス事件に関与したことで退社。裁判において懲役刑を受けた他、勲六等も剥奪されました。

その後、事業家として再出発し、さまざまな企業で経営に携わることになります。

政治活動

1920年の衆議院議員総選挙で立憲政友会から福井県第1区に立候補し当選。以後、4期連続で当選を果たしました。彼は党内で幹事長などの重要な役割を担いながら、山崎猛らを含む多くの議員の支持を集めました。

南満洲鉄道社長としての改革

1927年から1929年にかけて、彼は南満洲鉄道株式会社の社長を務めました。彼のリーダーシップのもと、満鉄は大胆な改革を行い、「満鉄中興の祖」と呼ばれるまでになりました。しかし、張作霖爆殺事件の影響で辞任を余儀なくされました。彼は茶道にも造詣が深く、茶人としての活動も行いました。

晩年と家族

1935年には貴族院勅選議員に任じられ、交流倶楽部に所属し、死去するまでその地位にあり続けました。彼は1936年に68歳で亡くなり、多磨霊園に埋葬されました。彼の家族には、父の条悦が福井藩の下級武士であったことや、母が有名な商家の出身であったことなどがありました。両親の影響を受け、彼もまた商人として、さらに政治家として成功を収めることとなりました。

まとめ

山本条太郎の生涯は、日本の近代化と発展に深く関与した実業家や政治家としての道のりを象徴しています。彼の改革や政策は多くの人々に影響を与え、日本の経済および政治の発展に寄与しました。

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