山本清史

山本清史監督は、1978年8月14日、東京都八丈島生まれの映画監督、脚本家です。幼少期をマレーシアのペナン島で過ごした経験が、彼の作品世界に独特の色彩を与えていると言えるでしょう。都立両国高校、明治学院大学文学部心理学科卒業という経歴からも、知的な探究心と感性が垣間見えます。大学在学中には、第7回創元推理短編賞の最終選考に残るなど、早くから才能を開花させていました。

大学卒業後、映像分野へ進路を転換。CS番組やメイキングの監督などを経て、2003年、「ほんとうにあった怖い話 怨霊 劇場版」で映画監督デビューを果たします。その後は、「ほんとにあった！呪いのビデオ」シリーズなどのビデオ作品を手掛けながら、着実にキャリアを積んでいきました。

2004年には、怪奇漫画の巨匠、日野日出志の作品を原作とした映画「日野日出志のザ・ホラー 怪奇劇場」シリーズの一編、「オカルト探偵団 死人形の墓場」を監督。中村義洋、熊切和嘉、白石晃士といった、後に日本映画界を代表する監督たちと共演するなど、既にその才能が周囲に認められていたことが伺えます。

2005年には、角川ホラー文庫から出版され、伝奇ホラーとして高い評価を得ている小説『水霊 ミズチ』を映画化。当時26歳という若さで、井川遥、渡部篤郎といった人気俳優陣をキャスティングし、全国70館での上映を実現しました。「水を飲むと呪われる」という衝撃的なテーマが話題を呼び、大きな成功を収めました。同時期にはテレビドラマ『心霊探偵 八雲』の監督も務めるなど、精力的な活動を展開していました。

2007年には、「殺し屋1」「ホムンクルス」で知られる漫画家、山本英夫の初期作品『のぞき屋』を、全話脚本・監督。盗聴というアンダーグラウンドな世界観にリアリティを持たせるため、盗聴の専門家の協力を得るなど、徹底したこだわりを見せました。

2008年には初の日米合作映画『END CALL』を監督する一方、「大河ロマンシリーズ」三部作も手がけ、時代劇にも挑戦。さらに2009年には、自身初プロデュース映画となる『学校裏サイト』を公開。原作・脚本も担当し、映画制作における総合的な能力の高さを証明しました。

2010年には、黒乃奈々絵原作の漫画「新撰組 PEACE MAKER」をテレビドラマ化し、全話脚本・メイン監督を務めました。同年には、ゲーム「真・三國無双 MULTI RAID 2」のオープニングムービー演出も担当、CG映像とモーションキャプチャ技術を駆使した映像表現にも挑戦しています。また、ニコニコ動画公式チャンネル「ほらーちゃんねる」の創設にも関わり、声優の清水香里と生放送番組「がんばれ！ ホラーズ」に出演するなど、新しいメディアにも積極的に関わっていきました。

2012年には、時代劇ゾンビ短編映画「EDO OF THE DEAD」を制作し、LA EigaFest 2012コンペティション部門にノミネートされるなど、国際的な評価も得ています。2013年には不動産業界のPR映像を手がけ、2014年にはテレビドラマ「東京トイボックス」「大東京トイボックス」「魔法★男子チェリーズ」などを監督するなど、多様なジャンルの作品に携わっています。

そして2017年、山本清史監督のキャリアにおける最大のヒット作と言えるのが、『ファイナルファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』の実写ドラマ化でしょう。累計1000万PVを超える人気ブログを原作とした本作は、ファイナルファンタジーXIVのゲーム内機能と実際のプレイヤーを駆使した、画期的な制作手法が話題となりました。MBS/TBS系列での放送後、NETFLIXにて19言語190か国に配信され、世界的な人気を獲得しました。2019年には映画化もされ、全国公開されています。

このように、山本清史監督はホラー作品から時代劇、ゲームムービー、そして話題の社会現象を題材にした作品まで、幅広いジャンルと表現方法に挑戦し続ける、稀有な才能の持ち主です。彼の今後の活躍から目が離せません。

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