山本眸古

山本 眸古（やまもと ひこ）

1963年、福岡県福津市に生まれた山本眸古は、テレビ番組や映画の制作に携わるフリーディレクターです。

経歴

西南学院大学文学部で学んだ学生時代、山本氏は演劇の道を志しました。大学内で自ら作品の脚本を書き、演出も手がけるなど、積極的に活動を行っていました。当時の九州の学生演劇界は、九州産業大学や九州芸術工科大学などが中心となって牽引しており、大学間での合同公演なども盛んに行われていました。こうした活動の中で、他の大学の学生たちが放つ才能を目の当たりにした山本氏は、その圧倒的な実力差を感じ取り、「このレベルで第一線を目指すのは難しい」と考え、演劇の道を断念するという決断をしました。特に、当時九州産業大学に在籍しており、ひときわ才能を輝かせていた人物として、後に劇作家・俳優として活躍する松尾スズキ氏の名前を挙げています。

大学卒業後、山本氏は福岡市にある映像制作会社VSQに入社し、映像制作のキャリアをスタートさせました。入社後初めて担当したのは、わずか2分半の長さの商品宣伝番組でした。その後、テレビ西日本（TNC）の視聴者参加型バラエティ番組「家においでよ!」といったテレビ番組の演出などを手がけ、経験を積んでいきました。

2001年4月からはフリーランスのディレクターとして活動を開始します。独立後は自ら企画を各放送局に持ち込み、採用された企画をもとに次々と多様なジャンルの番組制作に携わるようになりました。フリーランスとして活動する中で、以前から自身の目標であり、敬愛していた熊本放送の村上雅道氏やNHKの岩下宏之氏といったベテランディレクターたちと共に番組を制作する機会にも恵まれました。彼ら先達との仕事を通じて、多くの刺激を受け、表現の幅を広げていきました。

テレビの世界で実績を積む一方で、映画制作にも挑戦しました。初めて監督を務めた長編映画は、明治・大正期に活躍した福岡出身の流行歌歌手、赤坂小梅の生涯を描いた伝記映画「小梅姐さん」です。この作品は、福岡市で毎年開催されている「アジアフォーカス・福岡国際映画祭」で上映され、監督としての新たな一歩を印しました。

主な作品

山本氏がディレクターとして関わった主な作品には、以下のようなものがあります。

テレビ番組
「ハイビジョンふるさと発」～有明海に生きるカメラマンの物語～（NHK BShi）
「武田鉄矢 母にささげるラストバラード」（TNC特番）
「家族のカタチ～母の愛～」（TNC日中韓共同制作特番）

映画
「小梅姐さん」

これらの作品を通じて、ドキュメンタリーからドラマ、エンターテインメントまで、幅広い分野でその手腕を発揮しています。故郷である福岡を拠点に活動を続け、地域に根ざしたテーマや人物を取り上げることにも積極的に取り組んでいます。

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