赤坂小梅

赤坂小梅 - 著名な民謡歌手

赤坂小梅（あかさかこうめ、1906年4月20日 - 1992年1月17日）は、日本の昭和時代に活躍した著名な民謡歌手で、その本名は向山コウメです。特に彼女は、民謡を大衆音楽として普及させることに貢献したことで広く知られています。彼女の経歴を辿ることで、その功績の背景や影響を理解することができます。

幼少期と芸者としての始まり

福岡県田川郡に生まれた小梅は、9人兄姉の末娘でした。生後間もなく母を失い、長姉に育てられた彼女は、幼い頃から芸事に対する強い興味を抱いていました。1920年、わずか16歳で芸者修行を始め、「梅若」として活動を始めます。

強い意志で芸者になった小梅は、当時としては珍しい存在であり、周囲からの反対にもかかわらず自らの道を進みました。彼女は当初、九州の小倉の料亭で評判を重ねていきました。

音楽キャリアの始まり

1929年、福岡を訪れた作曲家たちが小梅の歌声に感銘を受け、彼女は日本ビクターで初めて録音を行います。その後、赤坂に上京し「赤坂小梅」と名を改め、赤坂の芸者として華々しいデビューを果たしました。彼女は数々の新民謡を発表し、その中には「別府待っちょる節」や「豊後風景」といった楽曲があります。

人気の頂点と独自のスタイル

1930年代になると、小梅は「鶯芸者の三羽烏」として小唄勝太郎や市丸と並ぶ人気を誇ります。彼女は豊かな声量と広い音域を持ち、特に太い低音が魅力的で、他の芸者とは一線を画していました。1934年、江口夜詩作曲の「そんなお方があったなら」がヒットし、歌手として不動の地位を築きます。また、戦前に作られた炭坑節も、彼女がレコードに吹き込んだ最初の歌として知られています。

戦時中の活動と代表曲の誕生

1942年には「黒田節」をレコード化し、戦意高揚に寄与したこの楽曲は、彼女の代表曲として高い評価を得ることになります。戦後も供される周りの影響を受けつつ、新たな民謡を次々に発表し続け、名声は衰えることなく広まっていきました。「おてもやん」や「炭坑節」も代表的な曲として知られています。

引退後と晩年

1980年に引退し、千葉県に移り住んだ小梅は「小梅民謡教室」を開くなど、次世代の育成にも寄与しました。彼女の作品や活動は、後の民謡歌手たちに大きな影響を与えました。

小梅はまた、民謡を大衆音楽に昇華させるという大きな功績を残しており、その努力には多くの賞がもたらされました。1992年に他界するまで、彼女のキャリアは60年を超えました。

まとめ

赤坂小梅の人生と音楽は、昭和時代の日本の文化に深く根付いており、今でも多くの人々に愛されています。彼女の遺した楽曲は、民謡の枠を超えて広く親しまれ続けています。小梅の存在は、音楽の歴史の中で決して忘れてはならないものです。

もう一度検索