山本繁太郎

山本繁太郎：その生涯と政治的足跡

山本繁太郎（1948年11月14日 - 2014年3月15日）は、日本の政治家、元建設官僚であり、山口県知事（第46代）を務めました。彼の生涯は、官僚としての経験と、政治家としての挑戦、そして病との闘いに彩られています。

生い立ちと官僚としてのキャリア

山口県柳井市に生まれた山本は、父が山口県議会議員を務めた政治家の家系に育ちました。山口県立柳井高等学校を経て東京大学法学部を卒業後、1972年に建設省（現在の国土交通省）に入省。住宅局長などを歴任し、官僚としてそのキャリアを築きました。内閣府や麻生内閣の内閣官房地域活性化統合事務局長を最後に退官しました。

政治家への転身と選挙戦

2008年、山本は福田康夫内閣下で行われた衆議院山口2区補欠選挙に自民党公認で立候補し、政界への転身を図りました。しかし、民主党の平岡秀夫との激しい選挙戦の末、惜しくも落選。その後も、2009年の第45回衆議院議員総選挙で再び平岡に挑みましたが、再び敗北を喫しました。

山口県知事としての活躍

2012年、山本は山口県知事選挙に無所属で出馬し、見事初当選を果たします。知事として、港湾整備による臨海部産業の強化、高度な産業人材の育成、農林水産業の再生を掲げ、県政の発展に尽力しました。特に、瀬戸内産業ルネッサンス構想を提唱し、港湾を重視したインフラ整備を推進しました。

知事辞任と晩年

しかし、知事就任直後から体調不良に悩まされ、2013年には入退院を繰り返しました。2014年1月、ついに健康上の問題から知事辞任を表明。同年3月15日、肺がんのため65歳でこの世を去りました。その功績を称えられ、死没日付をもって正四位に叙されました。

政策と主張

山本の政策の中心は、経済と観光の活性化でした。瀬戸内産業ルネサンス構想では、国際バルク戦略港湾の整備や産業用道路網の構築を推進し、工業出荷額の増加や企業誘致、雇用創出を目指しました。また、年間宿泊観光客数4百万人構想を掲げ、広域観光ルートの形成に力を入れました。米軍岩国基地問題では、基地機能移転への理解を示しつつ、周辺自治体への支援を求めました。

健康問題と批判

知事在任中は、健康問題が常に付きまといました。就任直後の入院や、会議中の体調不良による途中退席など、その健康状態は常に注目されました。また、国土交通省住宅局長時代に発生した構造計算書偽造問題では、責任を問う声も上がりました。

遺されたもの

山本繁太郎の生涯は、官僚から政治家への転身、そして病との闘いに彩られたものでした。彼の功績は、山口県の産業と観光の活性化に大きく貢献したことでしょう。彼の情熱と努力は、多くの人々の記憶に残るでしょう。

略歴

1967年 - 山口県立柳井高等学校卒業
1972年 - 東京大学法学部第2類（公法コース）卒業、建設省入省
1978年 - 建設省計画局調査統計課長補佐
1979年 - 建設省住宅局民間住宅課長補佐
1981年 - 熊本県企画開発部企画課長
2002年 - 内閣府政策統括官（防災担当）
2004年 - 国土交通省住宅局長
2006年 - 国土交通審議官
2007年 - 内閣官房地域活性化統合事務局長
2008年 - 退官、自由民主党山口県第2選挙区支部長
2012年 - 山口県知事就任
2014年 - 山口県知事辞職、死去

主な政策

瀬戸内産業ルネッサンス構想
年間宿泊観光客数4百万人構想
米軍岩国基地への対応

批判と不祥事

構造計算書偽造問題への関与

評伝・追想録

大森雅夫岡山市長による追想
政策史検証実行委員会による追想録『山本繁太郎とその時代』

このテキストは、山本繁太郎の生涯、政治活動、政策、そして彼が残した足跡を総合的にまとめたものです。彼の業績と、その背景にある課題を理解する上で、参考になるでしょう。

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