山本聖悟

山本聖悟：不良から格闘家へ、そして新たな伝説へ

山本聖悟。その名は、日本の総合格闘技界において、徐々に知れ渡りつつある存在だ。韓国系日本人の彼は、決して順風満帆な人生を歩んできたわけではない。9歳から始めた空手は、心身を鍛えるための手段であったが、中学時代には暴走族に身を投じ、17歳で総長にまで上り詰める。少年院送致という経験を経て、彼は人生の転機を迎えることになる。

15歳頃、地下格闘技大会での出会いが彼の人生を変える。それは、後に日本の格闘技シーンを代表する存在となる朝倉未来との出会いだった。未来からかけられた「また頑張ろうよ。俺たちまだ若いんだから」という言葉は、山本聖悟の心に深く響き、彼は不良仲間との関係を断ち切り、格闘家への道を歩み始めることを決意する。

2014年、DEEPでのプロデビュー戦は判定負けという結果に終わった。しかし、この敗北は彼にとって大きな学びとなり、山本聖悟は着実に実力を付けていく。ROAD FCではパク・ソクハンをTKOで下すなど勝利を重ね、RIZINの舞台にも立つ。村元友太郎との対戦では惜しくも敗れるものの、その闘志は衰えることなく、彼は日本の格闘技界で存在感を示し続ける。

その後も、DEEPやROAD FCで数々の強豪選手と激闘を繰り広げ、勝利と敗北を繰り返す。2022年にはROAD FCでイ・ジョンヒョンに敗れるなど苦杯を舐めることもあったが、彼は決して諦めなかった。そして、2024年、BLACKCOMBATのリングで、山本聖悟は新たな伝説を刻むことになる。イ・ソンチョル戦では、わずか6秒という衝撃的な時間でのTKO勝利。これはBLACKCOMBATの最短時間TKO記録を塗り替える快挙だった。続くパク・ソンジュン戦でも劇的なKO勝利を収め、試合後にガールフレンドへのプロポーズというサプライズも披露した。

しかし、格闘技の世界は常に厳しい。RIZIN LANDMARK 10のアラン“ヒロ”ヤマニハ戦では、惜しくも一本負けを喫した。それでもなお、山本聖悟の闘志は消えることはない。彼は常に進化を続け、更なる高みを目指して戦い続けるだろう。

山本聖悟の人物像も興味深い。韓国人の母を持つ彼は、韓国料理のサムギョプサルと冷麺を好むなど、自身のルーツを大切にしている。また、総合格闘家でラッパーの芦澤竜誠とは親交が深く、お互いのセコンドを務めるほどの信頼関係を築いている。さらに、秋山成勲からは格闘技の指導を受けるなど、多くのベテラン格闘家からのサポートを受けている。かつては秋山成勲のリングネームにちなんだ「LITTLE SEXYAMA」を使用していたが、現在は「ロックリー」として活動している。プライベートではGUCCIを愛用するなど、おしゃれにも気を遣っている。

山本聖悟の格闘技人生は、まさにドラマそのものだ。不良時代の経験、格闘技への情熱、そして周囲の人々との絆。これら全てが彼の原動力となり、彼を現在の位置へと導いてきた。これからも、山本聖悟の挑戦は続く。彼の今後の活躍に、目が離せない。

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