山本芳久 (哲学者)

山本芳久：哲学と思想の探求者

山本芳久氏は、1973年生まれの日本の哲学者であり、東京大学大学院総合文化研究科教授を務めています。彼の専門は、西洋中世哲学、イスラーム哲学、そしてキリスト教学と多岐にわたります。神奈川県で生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科で博士号を取得しました。

学術的経歴と業績

山本氏は、千葉大学文学部准教授やアメリカ・カトリック大学客員研究員を経て、東京大学大学院総合文化研究科の教授に就任しました。彼の研究は、中世哲学、特にトマス・アクィナスの思想に深く根ざしており、その研究成果は高く評価されています。2018年には、『トマス・アクィナス　理性と神秘』でサントリー学芸賞を受賞し、その学術的な貢献が広く認められました。

著作活動

山本氏は、数多くの単著や共著を発表しています。主な単著には、以下のようなものがあります。

『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』 (知泉書館、2013年)
『トマス・アクィナス　肯定の哲学』 (慶應義塾大学出版会、2014年)
『トマス・アクィナス　理性と神秘』 (岩波新書、2017年)
『世界は善に満ちている　トマス・アクィナス哲学講義』 (新潮選書、2021年)
『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版、2021年)
『NHK「100分de名著」ブックス アリストテレス ニコマコス倫理学「よく生きる」ための哲学』(NHK出版、2024年)

これらの著作を通して、山本氏はトマス・アクィナスの哲学を現代に蘇らせ、その思想の深さと現代的な意義を明らかにしています。また、キリスト教に関する著書も多く、宗教思想の分野でも重要な貢献をしています。

研究の特徴

山本氏の研究は、単に歴史的な文献を解釈するだけでなく、現代的な視点から哲学的な問題を考察することに特徴があります。彼は、中世哲学の概念や思想を、現代社会における倫理的な問題や人間の存在意義と結びつけ、新たな解釈を提示しています。

その他の活動

研究活動に加えて、山本氏は講演会やシンポジウムなど、幅広い分野で活動しています。彼の講演は、専門家だけでなく一般の聴衆にも分かりやすく、哲学的な思考の面白さを伝えています。また、SNSを通じて情報発信も行っており、哲学や宗教に関心を持つ人々との交流を深めています。

まとめ

山本芳久氏は、西洋中世哲学、イスラーム哲学、キリスト教学という広範な分野に精通し、トマス・アクィナスの研究を中心に、現代社会における哲学的な問題を考察する、気鋭の哲学者です。彼の著作や講演を通して、哲学の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索