山本英俊

山本英俊：実業家からGI馬主へ

山本英俊氏は、1955年生まれの日本の実業家であり、同時に著名な馬主としても知られています。彼の名は、円谷フィールズホールディングス株式会社（旧・東洋商事株式会社）の設立や代表取締役社長といった華々しい経歴と、数々の競走馬のオーナーとしての一面から成り立っています。

企業経営と馬主活動

山本氏は1988年、株式会社東洋商事（後の円谷フィールズホールディングス株式会社）を設立し、代表取締役社長に就任。その後も、株式会社エイプ取締役、株式会社ほぼ日（旧・東京糸井重里事務所）社外取締役、フィールズ株式会社代表取締役会長など、数々の企業で要職を歴任し、日本経済に貢献してきました。

しかし、山本氏の活動は企業経営のみに留まりません。彼は日本中央競馬会（JRA）に登録する馬主としての顔も持ち合わせています。勝負服は水色に白の袖輪一本というシンプルなデザインで、冠名は使用していません。

馬主になったきっかけは、30代の終わりに重病を患った経験にありました。「仕事に没頭するあまり、心身のバランスを崩してしまった」と山本氏は振り返り、趣味として始めた馬主活動が、心身の健康維持に大きく貢献していることを語っています。

馬主としての哲学

山本氏の馬主活動は、単なる趣味の域を超えています。彼は海外のGIタイトル獲得を目標に掲げ、欧米のセリ市に積極的に参加。国内では、実績の少ない種牡馬の産駒にも目を向け、独自の視点で競走馬を選んでいます。

一口馬主クラブである東京ホースレーシングとも関わりがあり、オーナーサイドとして積極的に発言するなど、競馬界に多大な影響を与えています。

調教師、騎手との信頼関係

山本氏は、多くの競走馬を藤沢和雄厩舎に預託しています。その理由として、競走馬育成シミュレーションゲーム『ダービースタリオン』で藤沢氏がモデルとなっている「藤枝厩舎」に預けると、故障が少なくGI競走を多く勝てるというゲーム内のデータが影響していることを明かしています。

また、栗東トレーニングセンター所属の角居勝彦調教師にも、競走馬を預託しており、角居調教師は山本氏の依頼でアメリカのセリ市に出向き、フライングアップル、サムライタイガース、ミスティックベル、ライオングラスといった競走馬を落札しています。

さらに、山本氏は日本中央競馬会の短期免許を取得して来日した騎手の身元保証も行っています。2005年にはケント・デザーモ騎手、2008年にはダグラス・ホワイト騎手など、多くの外国人騎手の来日支援を行ってきました。

数々の勝利とエピソード

2004年に馬主資格を取得した山本氏は、2005年にミスターケビンで初勝利、2007年にはフライングアップルで重賞初制覇を飾ります。2008年にはカジノドライヴが海外初出走で重賞競走を制覇し、2014年にはスピルバーグが天皇賞（秋）を制覇し、悲願のGI競走初制覇を果たしました。

山本氏が所有した競走馬には、数々のドラマがあります。タイガーマスクは、賞金のほとんどを恵まれない子供たちに寄付したことで話題を呼びました。ジャービスは清原和博氏との共同所有馬で、その賞金も少年野球に寄付されました。また、キミノナハセンターとモンドシャルナは、フジテレビの競馬番組「うまズキッ！」の出演者である白石麻衣氏と小嶋陽菜氏によって命名されました。

山本氏の影響力

山本氏の活動は、競馬界に留まりません。円谷プロダクション関連のアニメーション作品「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」では企画としてクレジットされているなど、多方面で才能を発揮しています。

実業家としての成功、GI競走優勝馬の所有、そして数々のエピソードから、山本英俊氏は、現代社会における成功者像の一つの形を示していると言えるでしょう。彼の将来の活躍にも期待が高まります。

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