ケント・デザーモ

ケント・デザーモの競馬人生

ケント・デザーモ（Kent Desormeaux）は1970年にアメリカ、ルイジアナ州のヴァーミリオン郡で生まれた著名な競馬騎手です。彼はその卓越した技術と数々の記録で知られ、競馬界において多くのファンを魅了してきました。香港では「戴崇謀」という名前でも知られています。

アメリカでの競馬キャリア

デザーモは1986年に見習い騎手としてそのキャリアをスタートし、1987年にはエクリプス賞最優秀見習い騎手に選ばれるなど、その才能を早くも評価されました。1989年には年間で598勝を達成し、この記録は当時の年間勝利数の世界記録としても知られています。彼は1992年にも再び最優秀騎手の称号を手にしました。

1995年、デザーモは北米で最年少の記録である通算3000勝を達成。その後も競馬界での存在感を強め続け、2004年にはアメリカ競馬殿堂に選出される栄誉を得ました。そして2019年には通算6000勝を達成し、名実ともに偉大な騎手としての地位を確立しました。

デザーモの主な騎乗馬には、1993年のブリーダーズカップ・ターフを制したコタシャーン、1998年に米二冠を達成したリアルクワイエット、2000年のケンタッキーダービーの勝ち馬フサイチペガサス、そして2008年の米二冠馬ビッグブラウンなどがいます。これらの馬とのコンビで彼は多くのG1レースで勝利を収め、競馬界での地位を堅持してきました。

日本での騎乗と印象的なエピソード

デザーモは1993年にジャパンカップでコタシャーンに騎乗し、その際のレースでは直線での追い上げが話題になりました。しかし、彼は残り100メートルの地点でハロン棒をゴールと誤認し、立ち上がるというハプニングが発生。その後、追い出しが遅れた結果、レガシーワールドに次ぐ2着に終わりました。この出来事について、デザーモはレース後に「もし間違えなかったら、1着になっていたかもしれない」と語っています。

日本での彼は1998年に阪神競馬場で初勝利を挙げ、その後も短期免許で日本に滞在。2001年にはレディパステルを駆って優駿牝馬（オークス）を制し、外国人騎手として初のクラシック制覇を達成しました。その後、様々なレースでの勝利を重ね、2002年から2014年にかけて複数回日本を訪れました。特に2003年にはゼンノロブロイで神戸新聞杯を制覇するなど、その活躍は続きました。

デザーモの来日の理由

ケント・デザーモが日本に訪れる理由の一つに、息子ジェイコフの医療事情がありました。彼は2000年に生まれた息子が耳に障害を抱えていることが判明し、その後の治療に専念するために短期免許制度を利用して来日しました。日本の競馬が土日に開催されるため、平日には家族と過ごす時間を持てることが魅力でした。また、この家庭問題を記録した特集もマスメディアで報じられました。

不祥事とその影響

ケント・デザーモの人生は華やかな競馬成績だけでなく、スキャンダルとも無縁ではありません。2011年には公道で無謀運転を行い逮捕され、その後の裁判では彼自身の行動について反省の意を示すものの、依然として問題視されています。さらに、アルコール依存症の影響で複数回失格でも扱われており、その健康問題が彼の競馬キャリアに影を落としています。2022年には家庭内暴力の容疑で再び世間の注目を集めました。

結論

競馬界での実績と数々の困難を乗り越えたケント・デザーモの人生は、多くの視点から評価されるべきです。彼の競技者としての才能、そして個人としての試練を経て、彼がどのように進化し続けるのかは今後の注目ポイントです。

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