山本茂 (ノンフィクション作家)

人物概要

山本茂（やまもと しげる）は、1937年に生まれた日本のノンフィクション作家です。北海道に生まれ育ち、北海道大学農学部で学業を修めました。

経歴

大学卒業後、毎日新聞社に入社し、社会部記者として報道の現場に立ちました。その後、『サンデー毎日』編集部で活躍。毎日新聞社を退職した後は、スポーツ専門誌である『ボクシング・マガジン』の編集長を務め、格闘技の世界に深く関わります。これらの経験を通じて培われた取材力と構成力は、その後の作家活動の基盤となりました。編集長を退いた後、フリーランスの作家として独立し、幅広いジャンルで執筆を開始しました。

作家活動

ノンフィクション作家としての山本茂は、特にスポーツ分野で多くの著作を発表しています。ボクシングを中心に、野球、ラグビー、テニスといった様々な競技を取り上げ、アスリートたちの知られざる物語や葛藤、栄光と挫折を克明に描きました。単なる記録に留まらず、登場人物の人間性や時代の背景を掘り下げた人物評伝にも定評があります。代表的な著書には、『物語の女』、『アンラッキー・ブルース』、『エディ』などがあり、スポーツノンフィクションの金字塔とされる作品も少なくありません。

スポーツ以外にも、歴史、社会問題、地方事情、さらには文章作法や読書論といった文化的なテーマまで、その関心は多岐にわたります。綿密な取材に基づく事実描写と、読ませる筆致で、硬派なノンフィクションから読みやすいエッセイまで、幅広いスタイルの作品を生み出しました。

その他の活動

作家活動と並行して、教育者としても教壇に立ちました。九州女子大学文学部教授や映画大学院大学客員教授を務め、後進の指導にあたっています。また、日本の歴史教育を巡る議論にも積極的に関わり、「新しい歴史教科書をつくる会」の理事を務めたほか、同会が編集した『新しい歴史教科書』の執筆にも参加するなど、歴史認識に関する言論活動も行いました。

主な著作

物語の女 モデルたちの歩いた道 (講談社)
アンラッキー・ブルース "世界"をつかめなかったボクサーたち (ベースボール・マガジン社)
カーン博士の肖像 (ベースボール・マガジン社)
夢・敗れし者たちの (徳間書店)
復活 (毎日新聞社)
エディ (PHP研究所)
ピストン堀口の風景 (ベースボール・マガジン社)
十字架の男 ベン・ジョンソン (毎日新聞社)
松葉杖のラガーマン (文芸春秋)
衝撃 東独スポーツ王国の秘密 (長谷川公之共著、全国朝日放送)
地方王国の盛衰 (プレジデント社)
本の愉悦 わたしの雑読・乱読・必読 (社会思想社)
野球を変えた男 (ウォーリー与那嶺共著、ベースボール・マガジン社)
異邦人の拳 (ベースボール・マガジン社)
遥かなる村上藩 雅子妃のふるさと (恒文社)
ロッキーを倒した男 (社会思想社)
七色の魔球 回想の若林忠志 (ベースボール・マガジン社)
日本を生きる 現代個性派人間論 (社会思想社)
緑のボランティア蒙古沙漠をゆく (ビジネス社)
拳に賭けた男たち 日本ボクシング熱闘史 (小学館)
神童 (文芸春秋)
女子大生のための文章作法 (ビジネス社)
白球オデッセイ プロテニス第一号佐藤俵太郎の青春 (ベースボール・マガジン社)
留学生のための日本事情 (大学教育出版)
歴史毒本 英雄の素顔、大事件の裏側 (光文社)
つい他人に話したくなる歴史のホント250 (光文社)
ジャパン発見伝 日本への20の視点 (展転社)
融雪期 (楡影舎)

翻訳書

* カポネの時代を生きたボクサー ミッキー・ウォーカー自伝 (ミッキー・ウォーカー, ジョー・ライクラー共著、ベースボール・マガジン社)

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