山根爽一

山根爽一

山根爽一（やまね そういち、1946年 - ）は、日本の生物学者であり、茨城大学の名誉教授です。進化生物学を専門とし、特に昆虫、中でも社会性カリバチ類の生態や社会行動の進化に関する研究で知られています。

経歴

1946年、北海道に生まれました。1968年に北海道大学水産学部を卒業後、1975年に北海道大学大学院理学研究科博士課程動物学専攻を単位取得退学しました。博士号は、1980年に学位論文「Social biology of the Parapolybia wasps in Taiwan(台湾産ホソアシナガバチ属,gen. Parapolybia蜂類の社会学的,生態学的研究)」により、北海道大学から理学博士として授与されました。

1975年、茨城大学教育学部の講師に就任し、1982年に助教授、1996年に教授へと昇進しました。2011年に茨城大学を定年退職し、名誉教授の称号を得ました。退職後も2011年から2013年まで特任教授として教鞭をとりました。

学外での活動も活発であり、2001年から2002年まで日本昆虫学会の編集委員長を務め、2009年から2010年には同学会の会長を務めました。

研究内容

専門は昆虫生態学であり、特に社会性カリバチ類（アシナガバチ、スズメバチ）における社会行動の進化に関する研究に力を入れています。具体的には、ハチの生活の場である巣の構造や営巣習性を比較研究することで、社会進化の過程を解明しようとしています。

山根爽一の研究は、ハチの社会行動の進化を理解する上で重要な貢献をしており、その研究成果は、多くの研究者や学生に影響を与えています。

また、弟の山根正気もハチ目の生態学、分類学の研究者として知られています。

著書

単著

『日本の昆虫③　フタモンアシナガバチ』文一総合出版、1986年
『アシナガバチ一億年のドラマ　－カリバチの社会はいかに進化したか－』北海道大学図書刊行会、2001年

共著

『チビアシナガバチの社会』（動物その適応戦略と社会, 5）岩橋統　共著、東海大学出版会、1989年

共編著

『昆虫の社会進化―ハチの比較社会学』井上民二　共編、博品社、1993年

分担執筆

『スマトラの自然と人々 : 赤道直下,森と火山の島』　堀田満・井上民二・小山直樹編、八坂書房、1992年
Natural history of social wasps and bees in equatorial Sumatra. Sakagami S.F., Ohgushi R. & Roubik D.W. (eds.) Hokkaido University Press, Sapporo 1990

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