山根雅仁

山根 雅仁（やまね まさひと）氏は、1975年11月19日に岡山県和気郡日生町に生まれました。プロ野球選手として投手でプレーし、引退後は広島東洋カープの球団職員として、要職を歴任しています。

野球を始めたのは小学校4年生の頃で、寒河スポーツ少年団に入り、当初からサイドスローの投手でした。その才能は早くから開花し、翌年には県大会で優勝を経験しています。日生中学校では三塁手としてチームを牽引し、ここでも県大会を制覇しました。高校は岡山南高校に進学。2年生の秋には肩を痛めてしまい、投げられない時期もありましたが、3年生になった1993年の夏にはエースとしてチームを率い、夏の甲子園に出場を果たしました。岡山県大会では、投手としてだけでなく、打者としても高い才能を発揮し、打率.467という好成績を残しています。しかし、甲子園本大会では、初戦で高橋尚成投手や玉木朋孝選手らを擁する修徳高校と対戦し、0対2で惜しくも敗れました。

高校時代のフォームの柔軟性や、投げるボールのキレはプロのスカウトから高く評価されました。甲子園大会の後には、ヨーロッパ遠征を行う高校日本代表チームの一員にも選ばれています。最速147km/hを計測する力強いストレートと、切れ味鋭いスライダーは、特にプロのスカウトの目を引きました。同年秋に行われたドラフト会議では、広島東洋カープから1位指名を受け、プロ入りが決まりました。当時の担当スカウトは佐伯和司氏で、契約金は8,000万円、推定年俸は540万円と伝えられています。この年は希望入団枠制度が初めて導入された年であり、球団は当初、山部太氏や三野勝大氏の指名を検討していましたが、交渉がまとまらず、最終的に山根氏がドラフト1位で指名されることとなりました。

プロ入り後は、期待されながらも肘の故障などもあり、一軍で目覚ましい成績を残すことはできず、現役を引退しました。しかし、引退後も野球界との関わりは終わりませんでした。広島東洋カープの職員として、育成部主任やスコアラーを歴任し、その後は編成部の国際業務部門と育成部ファーム管理課長を兼務し、二軍に帯同しながら外国人選手の獲得に尽力しました。若手選手の育成や、チーム力の底上げにつながる外国人補強における功績が球団内で高く評価され、2018年からはチームの編成部長に就任し、現在に至ります。

プロ野球選手としての主な記録は以下の通りです。

初登板：1995年5月3日、対ヤクルトスワローズ5回戦（明治神宮野球場）、6回裏に5番手で救援、2回無失点
初奪三振：同上、6回裏に伊東昭光から
* 初先発：1995年5月7日、対阪神タイガース6回戦（広島市民球場）、5回2失点

現役時代の背番号は、入団から1997年まで「21」、1998年から引退まで「35」でした。引退後は裏方としてチームを支え続け、現在は編成部門のトップとして、チームの未来を担っています。

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