山王信号場

山王信号場について

山王信号場（さんのうしんごうじょう）は、愛知県名古屋市中川区露橋1丁目に位置し、東海旅客鉄道（JR東海）中央本線の信号場です。この信号場は、金山駅と名古屋駅の間にあり、東海道本線貨物支線である名古屋港線へと分岐するために設置されました。

歴史的背景

山王信号場は、中央本線の複線化に伴い、併走する東海道本線の貨物支線を流用して設けられたものです。名古屋港線自体は1911年（明治44年）に開通しており、長い歴史を持っています。信号場の設置は1962年（昭和37年）で、中央本線と名古屋港線の分岐点としての役割を果たしました。

1970年代から1980年代にかけて、名古屋駅の改築が行われ、これにより名古屋駅と中央本線の接続路線が変更されました。この結果、現在の信号場へは東海道本線から直接入ることができない構造になっています。以前は名古屋駅構内で中央本線が東側に配置されており、信号場から名古屋駅にかけて東海道線と名古屋港線が並走していました。

信号場の設置年表

• - 1962年（昭和37年）10月10日: 中央本線と東海道本線貨物支線の分岐点として設置。
• - 1964年（昭和39年）3月2日: 金山 - 山王信号場間が複線化。
• - 1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化によりJR東海がこの信号場を継承。
• - 2024年（令和6年）4月1日: 名古屋港線が廃止予定。

構造の詳細

山王信号場は、複線かつ電化された中央本線から、単線で非電化の名古屋港線が分岐する形になっています。名古屋方面へ向かう線路から分岐するため、塩尻方面へ向かう線路からも名古屋港線に入れるよう、上下間に渡り線が設けられています。また、信号場の上部にはソフトバンク名古屋センターが存在しており、視覚的な目印ともなっています。

周辺施設

山王信号場の近くには東海道本線の尾頭橋駅があります。尾頭橋駅が1995年に設置されるまでは、信号場から少し行ったところにナゴヤ球場正門前駅があり、特に中日ドラゴンズの試合が行われる際には臨時列車が運行されていました。このことから、山王信号場は地域の交通の要所でもありました。

隣接する施設

東海旅客鉄道（JR東海）
中央本線: 金山駅 - 山王信号場 - 名古屋駅
過去の路線
日本貨物鉄道（JR貨物）
東海道本線貨物支線（名古屋港線）: 山王信号場 - 八幡信号場

山王信号場は、名古屋市の交通網において重要な役割を果たしてきた施設の一つであり、その歴史や構造には多くの意味があります。廃止が予定されている名古屋港線にとっても、その存在は大きなものでした。

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