山田勉 (投手)

山田勉（やまだ つとむ、1968年2月9日 - ）は、岐阜県大垣市出身の元プロ野球選手（投手）。右投右打。実弟は元中日ドラゴンズの山田博士（山田洋、ヒロ山田）である。

経歴

大垣工業高を卒業後、1985年のプロ野球ドラフト会議でヤクルトスワローズから5位指名を受け入団。

1987年に一軍初登板を果たすも、制球難に苦しみ、なかなか結果を出せずにいた。しかし、投球フォームをスリークォーターに転向したことが転機となり、制球力が安定し始める。

1990年オフ、イースタン・リーグでの投球を見た当時ロッテオリオンズ監督の金田正一が、その才能に惚れ込み、ヤクルトにトレードを打診。これをきっかけに、当時の野村克也監督も山田に注目するようになった。

1992年には、A+級サリナス・スパーズへ野球留学。

1993年、リリーフ投手として頭角を現し、開幕当初は抑えを務めた。5月からは高津臣吾と入れ替わり、セットアッパーとして活躍。時には先発投手としても起用され、9月10日の対広島東洋カープ戦では、急遽の先発ながら1試合16奪三振（セ・リーグタイ記録）を記録し、プロ初完封勝利を挙げた。このシーズンは10勝を挙げ、チームのリーグ優勝・日本一に大きく貢献。日本シリーズでは、第5戦で鈴木健に代打満塁本塁打を浴びている。

1994年も2年連続となる10勝を記録。

1995年もセットアッパーとして、チームのリーグ優勝・日本一に貢献した。

1996年はシーズン序盤に肘を痛め、戦線離脱。

1997年も故障の影響で満足な投球ができず、シーズンオフに戦力外通告を受ける。

その後、渡米してMLBに挑戦するも、夢は叶わず帰国。広島東洋カープに再入団を果たす。

1998年7月16日の対中日ドラゴンズ戦では、実弟の博士（当時の登録名は山田洋）と同じ試合で投げ合った。6回表には、投手・勉、打者・洋という兄弟直接対決も実現。しかし、同年オフに再び自由契約となる。

1999年、福岡ダイエーホークスにテスト入団。前半戦は抑え投手として起用され、シーズン途中に加入したロドニー・ペドラザが抑えに定着してからは、中継ぎや谷間の先発として起用され、チームのリーグ優勝・日本一に貢献した。

2000年は一軍登板の機会がなく、シーズンオフに戦力外通告を受け、現役引退。投手でありながら、生涯45打数で3本塁打と、打撃でもパワーを見せつけた。

引退後はプロゴルファーを目指し、ゴルフショップの支配人を務める傍ら、そのパワーを生かしてドラコン大会などに参加。2005年には第7回ドラコン日本選手権で優勝し、ラスベガスで行われたドラコン世界大会に日本代表として出場。2007年のドラコン選手権では412ヤードの日本記録を樹立した。

軟式野球のストロングリーグにも参加しており、日本代表のコーチも務めた。

人物

ヤクルト時代には、広島戦で登板した際、当時広島に在籍していた同姓同名の山田勉外野手と対戦した事があるとされていたが、公式戦での対戦は記録されていない（オープン戦での対戦の有無は不明）。投手の山田勉が1989年に一軍登板したのは8月27日の対横浜大洋ホエールズ戦のみで、外野手の山田勉のいる広島戦での登板はなかった。翌1990年は両者とも一軍での出番はなく、外野手の山田勉はこの年限りで引退している。

投じるストレートは球威があったが、肘の故障を抱えており、連投が難しいという抑えとしての致命的な欠点があった。先発投手としては、ローテーションの谷間に登板し完封勝利を記録するなど結果も残したが、先発ローテーションを回せるほどの回復力がなかったため、定着には至らなかった。

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