山田十平衛

山田十平衛：鬼の柔道家からスケベジジイへ

山田十平衛は、SNKの格闘ゲーム『餓狼伝説』シリーズにおける人気キャラクターの一人です。シリーズ2作目である『餓狼伝説2』で初登場し、70歳という高齢ながら、若い頃は「鬼の山田」と恐れられた腕利きの柔道家として描かれています。

彼のキャラクター設定は、非常にユニークです。年齢を重ねた現在もなお、旺盛な色欲を持ち合わせており、格闘大会への参加理由も「女の子にもてたい」というシンプルなもの。ゲーム『餓狼伝説スペシャル』のエンディングでは、セーラー服の女子高生たちに囲まれている姿が確認できます。また、ゲーム内での不知火舞との対戦前には「やっぱり女の子はよいのう」と発言するなど、彼の好色な性格はゲームを通して明確に示されています。

十平衛のステージは、日本の熊本県にある和風家屋です。5枚の屏風が立ち並び、『餓狼伝説スペシャル』では、ラウンドが進むにつれて屏風の絵柄が変化。最終ラウンドでは、屏風に彼の名前「山田十平衛」の一字ずつが大きく書かれる演出が施されています。

『餓狼伝説3』では、テリー・ボガード、ジョー・ヒガシ、不知火舞のステージに、赤フンドシ姿で登場するというサプライズ演出も用意されています。攻略ビデオでは、この姿を見たブルー・マリーが驚き、テリーたちが慌てて知らないふりをしているという、クスッと笑えるシーンも存在します。

開発者インタビューによると、十平衛は「常に何かを食べているイメージ」という初期設定がありました。しかし、ゲーム制作においては「食欲よりも色欲が優先」されてしまったと語られています。にもかかわらず、単なる好色な老人というだけでなく、渋くて可愛らしいおじいちゃんとして、多くのプレイヤーから愛されているキャラクターであると開発陣は分析しています。

他のメディアでの活躍

アニメや漫画作品では、主要キャラクターをサポートする頼もしい存在として描かれることが多いです。

『餓狼伝説2公式ストーリーコミック』では、アンディ・ボガードの師である不知火半蔵の指示で、アンディの稽古に付き添い、「空破弾」の改良アドバイスを与え、彼の更なる成長を促しました。『バトルファイターズ餓狼伝説』シリーズでは、原作ゲーム同様のスケベな一面を見せつつも、重要な情報を提供する役割も担っています。テレビアニメ版では、アンディと勝負し敗北するも、躊躇していた不知火舞にアンディとの同行を促すなど、冷静沈着な一面も見せています。

『コミックボンボン』版『餓狼伝説2』では、自信を失っていたテリー・ボガードに無理やり勝負を挑むことで、彼の復活のきっかけを作りました。しかし、その直後にローレンス・ブラッドに家を破壊されるという災難に見舞われるなど、コミカルな描写も散見されます。『ザ・キング・オブ・ファイターズ94外伝』では、アンディや舞の良き後見人として活躍し、シリーズを通して彼のキャラクター性は多角的に描かれています。

ゲームにおける特徴

ゲーム内では、小柄で動きが軽快な反面、攻撃力は低めに設定されています。しかし、柔道家らしい多彩な投げ技を駆使し、プレイヤーを翻弄します。『ゲーメスト』の格闘ゲームキャラクター人気投票では、低い順位にランクインしたものの、その高いCPU難易度から、コンピュータ対戦では非常に手強い相手として知られています。『餓狼伝説SPECIAL必勝攻略法』では、「コンピュータの中では最も厄介な相手」と評されています。

十平衛の技

十平衛は、多彩な投げ技と、煎餅を用いた飛び道具「センベイ手裏剣」を駆使します。センベイ手裏剣は、溜め時間が短く、隙が少ないのが特徴です。また、ダッシュしながら投げ技を決める「ダッシュ二本背負い」は、移動投げ技の先駆け的な存在であり、CPU十平衛はこれを連続で使用し、プレイヤーを圧倒します。さらに、強力な超必殺技「ダイナマイトいずな落とし」も存在します。この技は、相手を高く打ち上げ、地面に叩きつける際に爆発を起こす派手な演出が特徴です。

まとめ

山田十平衛は、高齢で好色な性格でありながら、高い格闘能力と、頼もしい一面を持つ複雑なキャラクターです。ゲーム内での高いCPU難易度と、他のメディアにおける活躍を通して、多くのプレイヤーに愛される人気キャラクターとなっています。彼の魅力は、単なる「エロジジイ」ではなく、渋くて可愛らしい、そして時に頼りになる存在としての奥深さにあると言えるでしょう。

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