山田卓生

山田卓生について

山田卓生（やまだ たかお、1937年4月12日 - 2013年10月25日）は、日本における法学の権威であり、民法と法社会学の専門家です。横浜国立大学の名誉教授として知られ、弁護士としてもそのキャリアを築きました。彼は来栖三郎という著名な法学者の門下生でもあります。

来歴

山田は愛知県名古屋市に生まれ、愛知県立瑞陵高等学校を経て1960年に東京大学法学部を卒業しました。大学院では法学政治学研究科の修士課程を修了し、さらにハーバード大学ロー・スクールで法学修士（LLM）の学位を取得しました。彼はその後、中央大学、日本大学、横浜国立大学で教授職を歴任し、またあさひ法律事務所の顧問を勤めました。

山田は、司法試験の考査委員（1991～1996年）や自由人権協会の代表理事（1990～2011年）、日本交通法学会の理事長（2006～2013年）など、数多くの要職も担っており、特に法的な問題に際しての見識は広く知られています。彼は2001年に藍綬褒章、2007年に旭日中綬章を受章しています。また、1999年には第二東京弁護士会に登録し、弁護士活動も行っています。2013年に逝去しましたが、彼の法学界への貢献は今でも色濃く残っています。

主張

山田の主な主張の一つとして、選択的夫婦別姓制度に関するものがあります。1984年、彼は「氏不変の原則と自己決定権から、別姓を原則として、改姓したいものは改姓することができるとする方がよりスッキリする」と述べ、選択的夫婦別姓制度の必要性を指摘しました。この考え方は、法的な権利に関する議論において重要な視点を提供しました。

著作

彼は数多くの著書を執筆しており、その中でも特に以下の作品が評価されています：

• - 『山田卓生著作選集（第1巻）　法律学・法社会学・比較法』（信山社、2010年）
• - 『山田卓生著作選集（第2巻）　民法財産法』（信山社、2010年）
• - 『山田卓生著作選集（第3巻）　損害賠償法』（信山社、2010年）
• - 『山田卓生著作選集（第4巻）　医事法　生命倫理』（信山社、2010年）
• - 『歩いて来た道』（信山社、2008年）
• - 『有斐閣Sシリーズ 民法I総則〔第二版補訂二版〕』（有斐閣、2004年）共著
• - 『分析と展開・民法II〔第四版〕』（弘文堂、2003年）共著
• - 『分析と展開・民法I〔第二版増補版〕』（弘文堂、2000年）共著
• - 『法律難語類語辞典〔新版〕』（有斐閣、1998）共編

これらの著作を通じて、民法や法学の理解を深める役割を果たしています。

最後に

山田卓生は、日本の法学界において重要な影響を与えた人物であり、彼の研究や主張は、今でも多くの法律家や学生にとっての指針となっています。彼を敬愛する者たちによるその業績は、後世にわたって引き継がれていくことでしょう。

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