山田守

山田 守（やまだ まもる）

概要

山田守は、1894年4月19日に岐阜県羽島市に生まれた日本の著名な建築家です。モダニズム建築を実践し、逓信建築の先駆者とされる彼は、曲線や曲面を多用した独特なデザインで知られています。山田の作品は印象的であり、彼自身の理念や影響を色濃く反映しています。

生涯の軌跡

山田は上中島小学校から始まり、岐阜県立大垣中学校、第四高等学校を経て、1917年に東京帝国大学の建築学科に入学しました。1920年には青年建築家のグループである分離派建築会を結成し、同年に大学を卒業しました。その後、逓信省の営繕課に入局し、電信局や電話局の設計に携わりました。

逓信建築の先駆者

彼の代表作のひとつ、東京中央電信局（1925年・現存せず）では、パラボラ型のアーチが連なる斬新なデザインが施され、多くの関心を集めました。また、関東大震災後には、復興局土木部に所属し、永代橋や聖橋などの震災復興に関連する橋梁のデザインも手掛けました。これらの作品は、当時の技術革新やデザインの新しい潮流を示しています。

ヨーロッパ視察と影響

1929年から1930年にかけて、逓信省の指示でヨーロッパ視察旅行に出ました。この旅でベルリンに滞在し、当時のさまざまな都市の建築を観察し、第二回CIAMにも参加しました。特にル・コルビュジェやヴァルター・グロピウス、エーリヒ・メンデルゾーンといった著名な建築家との交流が、彼の建築観に大きな影響を与えました。

独立と教育活動

1945年に逓信省を退官した後、彼は逓信建設工業を設立し、さらに1949年には山田守建築事務所を開設しました。彼はまた、東海大学の設立にも関与し、同大学の工学部建設工学科の教授として、数多くの学生たちを指導しました。彼の指導によって、多くの優れた建築家が巣立っていきました。

京都タワーと景観条例

山田守は京都タワーの設計を手掛けたことで知られていますが、この作品は古都の景観や文化に関する議論を巻き起こしました。「東寺の塔よりも高いものは建てない」という不文律に反するとの批判を受け、1972年には「京都市景観条例」が制定され、巨大工作物の規制が進められることとなりました。

受賞歴

彼の業績は多くの賞や勲章で評価されています。1933年には逓信協会賞、1944年には勲三等瑞宝章、1953年には文部大臣賞を受賞しました。また、1954年には日本建築学会賞を受賞し、1964年には藍綬褒章と勲三等朝日中綬章も授与されています。これらの受賞は、彼の建築に対する情熱と貢献を示す証です。

あとがき

山田守の生涯と業績は、日本の建築界において非常に重要な位置を占めており、彼の作品は今もなお新たな世代の建築家たちに影響を与えています。彼の斬新なデザインや理念は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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