山田宗重

山田 宗重の生涯

山田 宗重（やまだ むねしげ）は、戦国時代に活躍した武将で、尾張国出身の名門の生まれです。彼の本名は八郎右衛門で、阿波仁宇城の城主として知られています。また、息子の宗登も、将軍家から感状を授与された人物であり、「阿波の七感状」の一人としてその名を刻んでいます。

生い立ちと early Career

天文7年（1538年）、宗重は尾張国山田郡の武士・山田宗純の次男として誕生しました。父の宗純は織田信長に仕官し、その後も宗重は信長に忠誠を尽くし、数々の戦で軍功を挙げました。天正4年（1576年）、信長が近江安土に城を築くと、宗重は父や兄と共に移住し、新たな拠点である近江国八幡山に居を構えました。

本能寺の変とその後

しかし、天正10年6月2日（1582年7月1日）、歴史的事件である本能寺の変が発生します。この時、明智光秀が信長を急襲した際、宗重の兄・宗俊は長浜城を守っていましたが、光秀に協力することを誓いました。その結果、羽柴秀吉により宗俊は謀叛の罪で討たれることになります。この不幸な出来事を受け、宗重は兄の後を引き継ぎ、蜂須賀正勝に仕官することとなります。

蜂須賀家への仕官と戦歴

蜂須賀正勝のもとで、宗重は様々な戦役に参加しました。志津や山高北荘の攻撃、泉州岸和田攻め、日向高鍋城攻撃、そして関ヶ原合戦など多岐にわたります。特に岸和田城の戦闘において、その戦功から「朱塗りの柄の槍」を巧みに得るなど、輝かしい業績を重ねました。

天正13年（1585年）に蜂須賀家政が阿波国に入る際、宗重も共に行動したのですが、彼の領地で仁宇伊豆守らが反抗的な一揆を起こしました。宗重はこの反乱を鎮圧し、仁宇谷と荒田野の領地を賜ることで、さらにその地位を確立しました。その後、彼は仁宇城代として5000石の知行を持ち、和食（今の徳島県那賀郡那賀町）に居を移しました。

晩年の生活と死

晩年は隠居し、「三哲」と名乗って剃髪し、「胡叟」として静かな生活を送りました。大坂の陣では、自身は本戦に参加せずとも、長男の山田宗登を前線に送ることで家を守り、藩主の信頼を得て阿波国で留守居役を務めました。1618年3月16日、宗重は81歳でこの世を去りました。彼の墓は徳島県徳島市丈六町の丈六寺にあります。

彼の家系と歴史的背景

宗重の本姓は橘氏で、遠い先祖は左大臣・橘諸兄の子孫であるとも言われています。彼の家紋には「丸に橘」と「菊水」を用いており、戦国の世にいかに家系を大切にしていたかを伺わせます。また、彼の弟・山田去暦は石田三成に仕え、その子孫も含め、山田家の歴史は別の武士階級にも影響を与えました。

このように、山田宗重はその生涯を通じて、数々の出来事を経験し、戦国時代の流れに大きな影響を残した武将であったことが分かります。

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