山田寺 (各務原市)

山田寺の魅力と歴史

岐阜県各務原市蘇原寺島町に位置する山田寺（さんでんじ）は、臨済宗妙心寺派に属する寺院であり、山号は象耕山です。創建は飛鳥時代の白鳳期にさかのぼり、岐阜県でも特に歴史のある寺院として知られています。

歴史の起源

山田寺の創建に関する伝承は大化5年（649年）に、蘇我倉山田石川麻呂が設立したというものです。しかし、具体的に石川麻呂と山田寺を結びつける証拠となる文物はみつかっていません。実際には、壬申の乱で名を馳せた各務郡の大領である各務氏や村国氏が寺院の創建に寄与した可能性が高いとされています。この寺院は、長い間、当地の名刹として栄えてきました。

織田信長の侵攻と廃絶

しかし、永禄7年（1564年）に織田信長が岐阜に侵攻した際、山田寺は焼き払われ、廃絶したと伝えられています。創建当初は立派な伽藍を持ち、塔も存在したようです。その塔の心礎と、そこに納められた舎利を収めた壺は、現在まで存在し、「山田寺塔心礎納置銅壺 附 塔心礎」として国の重要文化財に指定されています。

文化財と旧跡

また、かつての寺域からは瓦などが発掘されており、「元山田寺跡及び礎石」として県の史跡に指定されています。さらに、出土した山田寺鴟尾瓦は各務原市の文化財にもなっています。これらの遺物は、当時の寺院の威容を物語っています。

現在の山田寺

現在の山田寺は、武儀郡に居住する纐纈弥次郎衛門の発願によって建立された宗寿庵を起源とします。さらに、美濃郡代の青木安清の許可を得た後、元文2年（1737年）には、越前国松岡円城寺の如日禅師を開山として迎え入れ、古代の名跡を受け継いでいます。このように、山田寺は伝統を受け継ぎつつ、現在も多くの人々に親しまれています。

この寺院は、訪れる人々に歴史の重みや文化的価値を感じさせる場所であり、地域の人々によって大切に守られています。山田寺の歴史を知ることで、より深くその魅力を理解し、訪れる際の感慨に浸ることができるでしょう。

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