山田真二

山田真二：昭和を彩った二枚目俳優・歌手

山田真二（やまだ しんじ）は、1937年3月25日に東京市小石川区（現在の東京都文京区）で生まれた俳優、そして歌手です。本名は山田常高（やまだ つねたか）と言います。舞踏家の山田五郎を父に、同じく舞踏家の山田奈々子を姉に持つ芸術一家に育ちました。東洋音楽学校を中退後、芸能界へと足を踏み入れます。

デビューとスターへの道

1954年、山田真二は松竹に入社し、映画『黒い罌粟』で俳優としてデビューを果たしました。翌年には東宝へと移籍し、その甘いマスクとエキゾチックな雰囲気で瞬く間に人気を集めます。中川信夫監督の『夏目漱石の三四郎』や、美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみという当時の人気スターたちと共演した『ジャンケン娘』など、数々の話題作に出演しました。

歌手としての成功

俳優業と並行して、山田真二は歌手としても才能を発揮しました。雪村いづみの勧めで1956年に発売した『哀愁の街に霧が降る』は、彼の代表作として知られ、大ヒットを記録しました。その人気は広く認められ、1959年には第10回NHK紅白歌合戦にも出場を果たしています。

芸能界引退後

人気絶頂の中、山田真二は芸能界を引退し、六本木で「好きな歌を歌える店」を経営していました。

晩年と死

2007年10月15日、山田真二は間質性肺炎のため、故郷である東京都文京区の病院で亡くなりました。享年70歳でした。彼の死を悼み、2008年3月28日には、雪村いづみらが発起人となって偲ぶ会が開催され、梅宮辰夫や、彼が歌った『哀愁の街に霧が降る』をカバーした山川豊など、多くの人々が参列しました。

主な出演作品

映画

黒い罌粟（1954年）
夏目漱石の三四郎（1955年）
ジャンケン娘（1955年）
朝霧（1955年）
若い樹（1956年）
哀愁の街に霧が降る（1956年）
ロマンス誕生（1957年）
大当り三色娘（1957年）
大当り狸御殿（1958年）
結婚のすべて（1958年）
サザエさんの婚約旅行（1958年）
銀座のお姐ちゃん（1959年）
お姐ちゃん罷り通る（1959年）

テレビドラマ

特別機動捜査隊 第168話「蒼い叫び」（1965年、NET）
われら九人の戦鬼（1966年、NET / 東映） - 高明寺源太郎
白い巨塔（1967年、NET）

NHK紅白歌合戦出場歴

1959年 第10回

関連人物

吉田正：（『哀愁の街に霧が降る』の作曲者）
山田奈々子：（ダンサー。実姉）
椎名誠：自伝小説『哀愁の町に霧が降るのだ』の作者
* 平尾昌晃：平尾をオートレース好きにさせたきっかけを作ったのが当人。

山田真二は、昭和の芸能史において、俳優そして歌手として輝かしい足跡を残しました。彼の歌声と演技は、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

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