山神社 (宇都宮市)

山神社（やまじんじゃ）

栃木県宇都宮市の下岡本町に位置する山神社は、大山津見命を祀る神社です。最初に山神が崇められていたのは現住所から南にある古里村大字下ヶ橋で、今では宇都宮市下ケ橋町として知られています。神社の設立については詳細な歴史が伝わっていないものの、社伝によると、20世紀初めの大正時代末期に地域の有志が新たに神社を創建しようと試みましたが、設立の許可が下りなかったため、当時の山神を受け継ぐ形で昭和4年（1929年）に現在の場所へ遷座しました。

その後、昭和7年（1932年）には社殿が新たに建設され、昭和27年（1952年）には宗教法人として正式に登記されました。さらに、平成5年（1993年）には拝殿や鳥居、手水舎、参道の修繕が行われ、現在の形が保たれています。境内の広さは約430坪あり、地元の人々に親しまれています。

山神社では毎年、例祭が10月15日に行われ、4月15日には祈年祭が開催されます。これらの祭典は、地域住民にとって大切な行事であり、神社を訪れる人々の心をつなげる機会となっています。

近年、この神社にまつわる興味深い出来事がありました。平成22年（2010年）の2月22日の夜、地元の自治会のメンバーが神社の防犯パトロールを行っている際に、賽銭箱からの匿名の返納が話題となりました。この返納は、約10年前に神社の賽銭箱から1万円を盗んだことへの謝罪として行われたもので、手紙も同封されていました。手紙では、「神様のお金を盗むことは許されるべきではなく、そのお金をどう願いを込めて入れたのか考えてほしい」という気持ちが綴られていて、地域の美談として広まりました。その後、返納された現金は全額が社会福祉協議会に寄付され、地域の支援に役立てられました。

山神社の交通アクセスは非常に便利で、東北本線の岡本駅からわずか500メートルほどの距離にあります。地域の人々だけでなく、観光客にも訪れやすい場所にあるため、神社は多くの人にとって心の拠り所であり続けています。訪れる際には、歴史や地域の文化に触れながら、神社の平静な雰囲気を楽しむことができる場所です。

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