山重慎二

山重慎二氏は、1962年に鹿児島県で生まれました。一橋大学経済学部を1985年に卒業後、同大学大学院経済学研究科に進学し、1987年に修士課程を修了しました。修士課程では、石弘光教授の指導を受けました。その後、1992年にはジョンズ・ホプキンス大学経済学部で博士号（Ph.D. in Economics）を取得しています。


博士号取得後、山重氏は1992年にトロント大学経済学部助教授として教鞭を執り始めました。1996年には一橋大学経済学部に専任講師として帰国し、1998年には同大学の助教授に昇進しました。2002年にはハーバード大学ハーバード・ロー・スクールで客員研究員を務めるなど、国際的な研究活動も積極的に行っています。2003年には株式会社大和総研経営戦略研究所の客員研究員も務めました。


2007年からは一橋大学経済学研究科および一橋大学国際・公共政策研究部の准教授となり、2015年には教授に昇進しました。2016年からは一橋大学国際・公共政策大学院長も務めています。また、2018年からは鹿児島銀行の取締役にも就任し、実業界にも貢献しています。


山重氏の研究分野は、公共経済学と数理経済学が専門であり、その研究は多岐にわたります。著書には、『家族と社会の経済分析』、『日本の交通ネットワーク』などがあり、これらの研究成果は高く評価されています。


特に『家族と社会の経済分析』は、日本社会の変容と政策的対応について経済学的な視点から深く考察したもので、2013年に日経・経済図書文化賞を受賞しました。また、『日本の交通ネットワーク』は、交通政策に関する重要な研究であり、2008年に交通図書賞を受賞しました。その他にも、『入門ミクロ経済学』や『昭和財政史』など、数々の著作に携わっています。


山重慎二氏は、教育者としてだけでなく、研究者としても日本の経済学界を牽引する存在であり、その幅広い知識と深い洞察力で、今後の活躍も期待されています。



主な著書

『家族と社会の経済分析』(東京大学出版会、2013年)
『日本の交通ネットワーク』（大和総研経営戦略研究所との共同編著）(中央経済社、2007年)
『入門ミクロ経済学』（共著、ダイヤモンド社、2005年）
『昭和財政史 第4巻 租税』(共著、東洋経済新報社、2003年)
『昭和財政史 第9巻 資料（2）』（共編著、東洋経済新報社、2003年）
Large Games and Large Economies with Incomplete Information (Ph.D. Dissertation、1992年)

主な受賞

2008年　第33回交通図書賞 『日本の交通ネットワーク』
2013年　第56回日経・経済図書文化賞 『家族と社会の経済分析―日本社会の変容と政策的対応』

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