山野正登

山野正登

山野正登（やまの まさと、1925年1月1日 - 2012年8月15日）は、日本の元官僚であり、科学技術事務次官、宇宙開発事業団理事長を歴任しました。彼は、日本の航空機開発と宇宙開発の草創期において、多大な功績を残しました。

来歴

広島県江田島市出身。呉第一中学校、旧制第六高等学校を経て、1944年に東京帝国大学第二工学部航空機体学科に入学。終戦により学科が解体されたため、1947年に物理工学科を卒業しました。その後、通商産業省に入省し、航空機武器課に十余年勤務。航空産業再開期には、米軍機修理の特需発掘に尽力し、YS-11の開発事業にも参画しました。

1968年、科学技術庁宇宙企画課長に就任し、宇宙開発との関わりを深めます。宇宙開発参事官時代には、宇宙開発委員会の発足、宇宙開発事業団の設立準備、日米宇宙協力協定の締結に奔走しました。

1981年には科学技術事務次官に就任し、ベルサイユサミットでの科学技術協力拡大のための作業部会に日本政府代表として参加しました。1983年に退官後、日本IBMと三菱商事の合弁IT企業の経営者へ転身。1989年に宇宙開発事業団理事長に就任し、国産大型ロケットH-IIの打ち上げ成功、国際宇宙ステーション計画の推進に尽力しました。毛利衛が日本人として初めて宇宙へ旅立った際には、無線で交信しています。

郷里広島への貢献として、広島県産業懇話会のメンバーも務めました。

年譜

1947年：東京帝国大学第二工学部物理工学科卒業
1949年：通商産業省機械器具検査所
1957年：通商産業省重工業局航空機武器課
1958年：防衛庁装備局航空機課
1961年：通商産業省重工業局航空機武器課長補佐
1963年：外務省在フィリピン日本国大使館
1968年：科学技術庁研究調整局宇宙企画課長
1969年：通商産業省重工業局航空機武器課長
1972年：科学技術庁研究調整局宇宙開発参事官
1975年：科学技術庁原子力局次長
1976年：科学技術庁原子力局長
1979年：科学技術庁科学審議官
1981年：科学技術庁科学技術事務次官
1983年：退官、株式会社エイ・エス・ティ総研代表取締役社長
1989年：宇宙開発事業団理事長
1995年：宇宙開発事業団顧問、勲二等旭日重光章受章、有人宇宙システム株式会社取締役会長
2012年：肺炎のため死去

山野正登は、日本の宇宙開発の黎明期を支え、その発展に大きく貢献した人物として、その功績は永く語り継がれるでしょう。

参考文献

「未来に語り継ぐメッセージ」2012年12月 東京大学生産技術研究所編

関連項目

* 事務次官等の一覧

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