在フィリピン日本国大使館

在フィリピン日本国大使館について

在フィリピン日本国大使館は、フィリピンの首都マニラ首都圏パサイ市に所在する日本国の大使館です。この大使館は、日本とフィリピンの二国間関係を維持し、促進する上で、重要な役割を果たしています。また、在マニラ日本国大使館とも呼ばれています。

歴史

スペインによる植民地支配

1565年、スペインのミゲル・ロペス・デ・レガスピがセブ島を占領し、フィリピンに対する植民地支配を開始しました。1571年にはレガスピがマニラを占領し、スペインによるフィリピン全土の支配が確立しました。

日本との関係の始まり

17世紀初頭、江戸幕府はスペイン船の来航を禁止し、スペインとの関係を断絶しました。しかし、1868年11月12日、明治政府とスペインの間で日西修好通商航海条約が締結され、日本とスペインの国交が樹立されました。

在マニラ日本帝国領事館の開設

1888年11月16日、在マニラ日本帝国領事館の開設が決定し、初代領事として谷田部梅吉が任命されました。領事館は1889年1月25日に開設されましたが、1893年11月に一度閉鎖されました。その後、1896年9月に再開されています。

1898年6月12日、フィリピンの革命家エミリオ・アギナルドがスペインからの独立を宣言しました。しかし、米西戦争で勝利したアメリカ合衆国はフィリピンの独立を認めず、自国による統治を開始しました。この時期、在マニラの帝国領事館は存続しました。1899年1月、アギナルドはマロロス憲法を公布し、フィリピン第一共和国の成立を宣言しましたが、アメリカ合衆国との間で戦争が勃発し、1901年4月1日にアギナルド大統領が米軍に降伏し、共和国は崩壊しました。

大使館への昇格

1919年5月28日、マニラの帝国領事館は在マニラ日本帝国総領事館に昇格しました。第二次世界大戦中の1942年1月2日には、大日本帝国が在フィリピン米軍を駆逐しマニラを占領、フィリピン軍政を開始しました。1943年10月14日、ホセ・ラウレル大統領がフィリピンの独立を宣言し、フィリピン第二共和国が成立、日比同盟条約が締結されました。この年、在フィリピン日本帝国大使館の開設が決定し、初代大使に村田省蔵が任命されました。日米開戦に伴い閉鎖されていた在マニラ日本帝国総領事館も1943年10月15日に再開されました。

第二次世界大戦と大使館の閉鎖

1945年1月9日、米軍を筆頭とする連合軍がルソン島に侵攻し、マニラは市街戦の末、3月に米軍によって占領されました。ラウレル大統領はフィリピンを脱出し、日本の奈良で亡命生活を送りました。1945年8月15日、第二次世界大戦で日本が敗戦したことにより、大日本帝国は崩壊し、マニラの帝国大使館と帝国総領事館も閉鎖されました。

戦後の国交回復と大使館の再開

1946年7月4日、マニュエル・ロハス大統領がフィリピンの独立を宣言し、フィリピン第三共和国が成立しました。1952年4月12日、日本国の独立に先駆けて「在外公館の名称及び位置を定める法律」が制定され、マニラに在フィリピン日本国大使館を設置することが定められました。1952年4月28日、サンフランシスコ平和条約が発効し、日本が独立。フィリピンも同条約の締結国の一つです。1956年7月23日、日本とフィリピンの間で日比賠償協定が発効し、両国の国交が再開され、マニラの日本国大使館が正式に承認されました。

近年の大使館

1960年1月8日、大使館と並立して在マニラ日本国総領事館を開設することが定められました。しかし、2011年4月27日、領事業務を扱っていた在マニラ日本国総領事館が閉鎖され、大使館がその業務を引き継ぎました。

所在地

現在の在フィリピン日本国大使館の所在地は以下の通りです。

住所: 2627 Roxas Blvd., Pasay City, Metro Manila 1300
私書箱: P.O. Box 414, Pasay Central Office, Pasay City, Metro Manila