山門水源の森

奥びわ湖・山門水源の森

滋賀県長浜市西浅井町山門に位置する「奥びわ湖・山門水源の森」は、かつて「上の荘の森」として知られていた県有林です。琵琶湖の北部に位置し、大浦川の源流となるこの森は、豊かな自然と貴重な湿地を有しています。

地理と特徴

標高は登山口の226メートルから、頂上部にあたる守護岩で520メートルまで、高低差は294メートルあります。この森の最大の特色は、滋賀県内最大規模の湿原が広がっていることです。この湿原は、約5.6ヘクタールもの広さを誇り、貴重な動植物が生息しており、「山門湿原ミツガシワ等生育地保護区」として保護されています。また、「水源の森百選」や「日本の重要湿地500」にも選定されており、その重要性が伺えます。

歴史

この森の歴史は古く、約4万年前の断層活動によって形成されたと考えられています。長い間、森の木々は薪炭として利用され、約30年ごとに植林が行われてきました。山門、中、庄の3集落の共有林として、地域の人々に大切にされてきました。しかし、20世紀後半に入り、薪炭の需要が減少すると、森の整備は滞るようになりました。1990年代にはゴルフ場の建設計画も持ち上がりましたが、実現には至りませんでした。その後、1995年に林野庁により「上の荘の森」として「水源の森100選」に指定され、翌年には県有林として保護されることになりました。湿地はその後、「日本の重要湿地500」にも指定されています。

湿地

山門水源の森の湿地は、滋賀県内最大の規模を誇ります。多様な動植物が生息し、ミツガシワなどの貴重な植物も生育しています。この湿地は、生物多様性の観点からも非常に重要な場所であり、保護活動の対象となっています。

ハイキングコース

森の中には、3つのハイキングコースが整備されています。

湿原往復コース: 約2.5km、所要時間約1時間
四季の森コース: 約3.5km、所要時間約3時間
湿原・ブナの森コース: 約4km、所要時間約3.5時間

これらのコースは、初心者から上級者まで楽しめるように工夫されています。また、ボランティアによる有料ガイドも利用できます。

環境保全活動

「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」というボランティア団体が2001年4月に設立され、森の環境保全活動を行っています。県内外から多くのボランティアが参加し、清掃活動や植林活動など、森を守るための様々な活動に尽力しています。

利用情報

料金: 無料（協力金として200円）
利用期間: 冬季積雪時以外

アクセス

公共交通機関: JR湖西線永原駅から西浅井コミュニティバスで約10分、「山門」下車
自動車: 北陸自動車道木之本ICから約25分、駐車場25台完備

関連情報

日本の重要湿地500
水源の森百選

外部リンク

奥びわ湖・山門水源の森 - 公式サイト
奥びわ湖・山門水源の森 - 長浜・米原を楽しむ観光情報サイト
59 上の荘の森 - 林野庁ホームページ


山門水源の森は、豊かな自然と歴史を持つ貴重な場所です。訪れる際には、自然保護にご協力をお願いします。

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