西浅井町

滋賀県西浅井町：琵琶湖と共に生きた町の記憶

西浅井町は、かつて滋賀県の北部に位置していた町です。2010年1月1日に伊香郡および東浅井郡の6町と共に長浜市へ編入され、その歴史に幕を閉じました。ここでは、西浅井町の地理、歴史、産業、観光について詳しく解説します。

地理：豊かな自然と琵琶湖

西浅井町は、町の北部が福井県との県境を形成する野坂山地となっており、豪雪地帯として知られています。特に塩津地区は琵琶湖の最北端に面しており、美しい湖畔の風景が広がっていました。

主な河川としては大浦川が琵琶湖に流れ込んでいます。

隣接していた自治体

滋賀県
高島市
伊香郡: 余呉町、木之本町、高月町
東浅井郡: 湖北町
福井県
敦賀市

歴史：村から町へ、そして長浜市へ

西浅井町の歴史は、1955年（昭和30年）4月1日に塩津村と永原村が合併し、西浅井村が発足したことから始まります。その後、1971年（昭和46年）4月1日に町制を施行し、西浅井町となりました。

2006年（平成18年）10月には、奥びわ湖水の駅あぢかまの里が開業し、観光拠点としての役割を担いました。また、2008年（平成20年）11月には、塩津港遺跡から平安時代後期に作られたとみられる木彫りの神像5体が出土し、歴史的な価値が再認識されました。

しかし、2010年（平成22年）1月1日、西浅井町は長浜市に編入され、その名が消滅しました。

産業：琵琶湖の恵み

西浅井町では、琵琶湖での漁業が盛んに行われていました。大浦漁港は、その中心的な役割を果たしていました。

また、町内にはヤンマー永原工場があり、地域経済に貢献していました。昭和26年（1951年）には昭和天皇が視察に訪れ、その際に「うるはしく 職場たもちて 山すその 永原村は すくはれにけり」という短歌を詠んでいます。

交通

鉄道は、JR西日本の北陸本線と湖西線が町内を通っています。近江塩津駅は両路線の接続駅であり、交通の要衝となっていました。また、永原駅も湖西線の駅として利用されていました。

道路は、国道8号、国道303号が町内を通り、滋賀県内外へのアクセスを支えていました。奥琵琶湖パークウェイも観光客に人気がありました。

名所・旧跡・観光

西浅井町には、豊かな自然と歴史的な名所が数多く存在していました。

菅浦地区: 琵琶湖に面した風光明媚な地区。
奥琵琶湖ファイブオーシャンマリーナ
須賀神社
菅浦郷土史料館
永原地区:
腹帯観音堂
和蔵堂
黒山山門水源の森石仏群
上の荘の森
北淡海・丸子船の館
塩津地区:
正應寺
鹽津神社
下鹽津神社
矢合神社
蓮通寺
塩津浜遺跡
辻家

現在、西浅井町の名前は地図上から消えましたが、その豊かな自然と歴史は、長浜市の一部として今も息づいています。琵琶湖を訪れる際には、かつて西浅井町であった場所にも足を運び、その歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索