山高しげり

山高しげりについて

日本の婦人運動において重要な役割を果たした山高しげり（やまたか しげり、別名：金子しげり）は、1899年に三重県津市に生まれました。彼女は教育関係者の家庭に育ちましたが、父の死後、母子家庭での生活が彼女の後の母子保護活動に大きな影響を与えました。10代のころから文を書くことが好きで、さまざまな雑誌に寄稿していました。

彼女の教育歴は東京府立第二高等女学校を卒業後、東京女子高等師範学校に進学しましたが、卒業前に病気で中退しました。1919年に結婚し、金子姓を名乗った後、新聞記者として活動を開始し、婦人会の仕事に携わることになりました。

1923年、関東大震災を契機に形成された「東京連合婦人会」に参加し、翌年には婦人参政権を求める活動に尽力しました。1924年、彼女は「婦人参政権獲得期成同盟会」の設立に関与し、その後「婦選獲得同盟」に改称します。この組織で多忙を極める一方、夫との離婚を経て「山高」に名前を戻し、母子福祉の向上に向けた活動に注力しました。

1934年には母性保護連盟を結成し、母子福祉に関する活動を推進しました。また、戦時中は軍人遺族への支援に注力し、その経験は彼女の政治的スタンスに深く根付くこととなります。第二次世界大戦後、山高は婦人の権利と福祉の向上に力を入れ、1945年に設立された戦後対策婦人委員会のメンバーとしても活躍しました。

1948年には東京都地域婦人団体協議会の初代会長となり、1950年には全国未亡人団体協議会を設立して事務局長に就任しました。この団体を通じて児童扶養手当の制度設立に尽力し、母親たちの自立支援に力を注ぎました。また、1952年には全国地域婦人団体連絡協議会を設立し、1977年に亡くなるまでその活動の先頭に立ち続けました。

1962年には参議院議員に当選し、1952年から1971年までの二期にわたり政治活動を続けました。彼女は議員として、母子福祉の整備を進め、1964年には母子福祉法の制定にも関与します。さらに、消費者の権利保護においても活動し、特に食品添加物の規制問題などにも立ち向かいました。1971年に議員職を引退後も、彼女の活動や提言は現在の婦人運動においても重要な意義を持っています。

山高しげりは多くの著作も残しており、彼女の考えや運動の思想を継承するための資料としても重宝されています。1955年には藍綬褒章、1969年には勲三等宝冠章、1977年には従四位・勲二等瑞宝章を受賞し、その功績は評価されました。1977年に急性腎不全で亡くなるまで、彼女は日本の婦人運動における重要な存在として多くの人々に希望を与え続けました。

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