山鳥坂ダム

山鳥坂ダムについて

山鳥坂ダム（やまとさかダム）は、国土交通省四国地方整備局が愛媛県大洲市に建設を計画している多目的ダムで、主に肱川の支流である河辺川に位置しています。このダムの建設計画は、1986年に開始されましたが、地元住民からの強い反対により、事業が長期化しています。

沿革

ダム建設は、当初治水と水不足の解消を目的として、中予地方への水供給も考えられていました。しかし、2000年には中止を求める声が上がり、特に与党の意見が重視されました。愛媛県知事である加戸守行氏の尽力によって、ダム計画の見直しが進み、結局建設は続行されることとなりました。しかし、2001年には中予地方の自治体により反対が激化し、分水の計画は中止され、ダムは多目的ダムから治水ダムへと方針が変更されました。2004年に河川整備計画が策定され、2008年からは関係する道路の工事も始まりました。

賛否

建設予定地の住民は、一部の人々によってはダム建設が容認されていますが、下流に位置する市民団体などは強く反発しています。特に、肱川では過去に台風や豪雨による水害が発生しており、これが治水対策の必要性を高めています。賛成派の主張としては、ダムによって水位が低下し、洪水のリスクが軽減されるといった考えがあります。しかし、反対派は治水効果に疑問を呈し、ダムの代わりに堤防を建設することを提案しています。

治水の観点

山鳥坂ダムの建設が肱川の水害防止に寄与することを賛成派は訴えかけています。ただし、反対派の森絵利佳氏は、ダムの国家水系における効果が小さいことを指摘し、堤防建設の方が効果的だと主張しています。

環境への影響

ダムの建設により、肱川の水質悪化が懸念されており、これは他のダムの建設が進む中で顕著になっています。反対派は、山鳥坂ダムが地域の水質に悪影響を与え、漁業やその他の環境にも弊害を生じさせるのではないかと懸念しています。

現状の認識

2009年に実施された大洲市長選挙では、賛成派の候補者が当選したものの、松山大学の調査によると市民の中で反対意見が賛成意見を上回る結果が示されています。これにより、計画への支持は依然として分かれていることが明らかとなりました。

中予分水に関する課題

山鳥坂ダムからの分水は中止されましたが、依然として渇水問題は深刻であり、愛媛県や松山市は西条市の黒瀬ダムからの水の分配を検討中です。これにより、地域の水供給を確保する手段を模索しています。

関連項目

• - 日本のダム一覧
• - 国土交通省直轄ダム

外部リンク

• - 国土交通省四国地方整備局 山鳥坂ダム工事事務所

このように、山鳥坂ダムは地域における治水と水供給という重要なテーマに直面しており、その計画には賛否が分かれ、今後の動向が注目されます。

もう一度検索