岐阜市立加納中学校

岐阜市立加納中学校

岐阜市立加納中学校（ぎふしりつ かのうちゅうがっこう）は、岐阜県岐阜市加納舟田町に位置する公立中学校です。

本校は、かつて昭和30年代後半において、約2,900名もの生徒が学ぶ有数のマンモス校として知られていました。しかし、その後の学校の分離新設や、現代社会における少子化の影響を受け、現在の生徒数は500名程度となっています。

沿革

学校の歴史は戦後間もない1947年（昭和22年）に遡ります。この年に「岐阜市立第五中学校」として開校しました。翌1948年（昭和23年）には現在の名称である「岐阜市立加納中学校」へと改称されました。校舎が完成したのは1950年（昭和25年）3月11日です。同年9月1日には、当時稲葉郡茜部村であった地域の生徒たちが、厚茜中学校から本校へと移籍しています。

学校のシンボルである校歌は1962年（昭和37年）に完成しました。体育施設も整備が進められ、プールは1964年（昭和39年）に、体育館は1985年（昭和60年）にそれぞれ竣工しています。1981年（昭和56年）には、生徒数増加への対応として岐阜市立陽南中学校が本校から分離・新設されました。比較的近年では、施設の老朽化に伴い、2014年（平成26年）にプールと駐輪場が新たに整備されました。

部活動

現在、本校では多岐にわたる部活動が行われており、生徒たちはそれぞれの興味や関心に合わせて活動に参加しています。

野球部（男女）
サッカー部（男子）
ハンドボール部（男子）
男子テニス部
女子テニス部
男子バスケットボール部
女子バスケットボール部
バレーボール部（男女）
バドミントン部（男女）
剣道部（男女）
絵画部（男女）
合唱部（男女）
* ロボコン部（男女）

過去の顕著な部活動：考案クラブ

本校の歴史において特筆すべき部活動として、「考案クラブ」が挙げられます。1952年（昭和27年）4月、坂本尚正教諭の指導の下で発足したこのクラブは、たちまち頭角を現しました。岐阜県発明考案展、全日本学生児童発明展、さらには女子生徒が参加する全日本女性発明展など、様々な発明・考案に関するコンクールで毎年多数の入賞・入選者を輩出し、全国的にその名を知られるようになりました。

特に1954年（昭和29年）には、男子生徒が考案した「改良湿度計」（後に実用新案としても登録）が全日本学生児童発明展において最優秀賞に相当する恩賜記念賞を受賞しました。この功績により、学校全体として発明協会から表彰を受けています。さらに、1959年（昭和34年）にはクラブ自体が科学技術庁長官賞を受賞するなど、輝かしい実績を残しました。

クラブの指導において使用された、ガリ版刷りのテキスト「発明ゼミナール」（1960年版）は、後に国土社の「少年少女科学名著全集」にも収録され出版されるに至りました。クラブを指導した坂本教諭は、その後県立岐阜工業高校に異動されましたが、考案クラブが残した功績は、本校の歴史に深く刻まれています。

教育環境と周辺

本校への進学前小学校としては、岐阜市立加納小学校と岐阜市立茜部小学校が挙げられます。周辺には岐阜県立加納高等学校、済美高等学校、岐阜大学教育学部附属中学校、岐阜大学教育学部附属小学校などの教育機関が集まる文教地区の一角に位置しています。また、加納城址などの歴史的な史跡も近隣にあります。

特に岐阜県立加納高等学校とは物理的な距離が非常に近く、卒業生の多くが進学する傾向が見られます。興味深いことに、両校の女子生徒の制服がよく似ているため、区別する際は胸の校章や名札、スカートのリボンの有無（リボンがある方が加納高校）などが目印となります。

交通アクセス

交通手段としては岐阜バスの利用が便利です。加納島線や茜部三田洞線の「城南通り」バス停からは徒歩約7分、また地域内を巡回する加納めぐりバスの「加納中学校」バス停からは徒歩約1分という近さです。

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