岐阜市立加納小学校

岐阜市立加納小学校は、岐阜県岐阜市加納西丸町一丁目に位置する公立の小学校です。

教育活動の特色

本校の教育における大きな特色の一つに、長年にわたり継承されているオペラ教育があります。これは、音楽教育の一環として昭和39年（1964年）から続けられており、4年生以上の合唱クラブと器楽クラブに所属する児童、そして6年生の全員が参加して本格的なオペラ公演を作り上げるものです。毎年6月末に開催される研究会に合わせて上演されており、児童たちが一体となって音楽劇に取り組む貴重な機会となっています。

沿革

加納小学校の歴史は大変古く、明治5年（1872年）9月に開校した二つの学校にその源流を求めることができます。一つは、旧加納藩の藩校であった「文武館」を母体とする憲章学校で、こちらは主に士族の子弟を受け入れていました。もう一つは、加納藩内に存在した寺子屋から発展した曲成義校で、こちらは平民の子弟が学ぶ場でした。このように、当初は身分によって学ぶ学校が分かれていたのです。

明治9年（1876年）には、曲成義校が沓井小学校と名を改めました。さらに明治12年（1879年）、憲章学校は加納小学校となります。そして明治28年（1895年）、この沓井小学校と加納小学校が合併し、現在の加納小学校へと繋がる歩みが始まりました。明治30年（1897年）には、周辺町村の合併により加納町が誕生し、それに伴って加納町立加納尋常高等小学校と改称されました。

大正11年（1922年）には、学校の歴史の中でも特筆すべき出来事として、旧加納城の堀であった長刀堀を利用したプールが完成しました。これは日本で最初の小学校プールであったと言われています。

昭和6年（1931年）には、児童数の増加に対応するため、加納第二尋常小学校を分離しました。その後、昭和15年（1940年）には加納町が岐阜市に編入されたことに伴い、岐阜市立加納尋常高等小学校となりました。翌昭和16年（1941年）には、国民学校令により岐阜市立加納国民学校と改称され、この時に最初の校歌（作詞：今井艦蔵、作曲：小松耕輔）が制定されました。

第二次世界大戦後の昭和22年（1947年）、学制改革により現在の岐阜市立加納小学校へと改称されました。昭和38年（1963年）には、作詞サトウハチロー、作曲高毛礼誠による現在の校歌が新たに制定されています。施設の整備も進み、昭和41年（1966年）には現在のプールが完成。昭和41年から49年にかけて現在の校舎群が順次完成し、昭和56年（1981年）には現在の体育館が完成しました。昭和59年（1984年）には校歌を記した碑が建てられ、学校のシンボルの一つとなっています。

学校の顔である正門には、特別な歴史があります。平成7年（1995年）には、その歴史的価値から岐阜市内最古の小学校正門として「岐阜の宝100選」に選定されました。しかし、老朽化のため平成28年（2016年）に惜しまれつつ取り壊され、新しい正門に建て替えられています。

学校の環境

本校の主な通学区域は、荒川町、加納朝日町、加納安良町、加納大石町、加納大手町、加納上本町、加納北広江町、加納清田町、加納沓井町、加納桜道、加納清水町5丁目、加納新町、加納新柳町、加納城南通、加納鷹匠町、加納鉄砲町、加納天神町、加納東陽町、加納徳川町、加納中広江町、加納長刀堀、加納西広江町、加納西丸町、加納二之丸、加納八幡町、加納花ノ木町、加納東広江町、加納東丸町、加納舟田町、加納本町、加納丸之内、加納御車町、加納南広江町、加納柳町、加納矢場町、渋谷町、中洲町、大倉町といった地域にわたります。卒業した児童の多くは、岐阜市立加納中学校へ進学します。

学校の周辺には、岐阜大学教育学部附属中学校・小学校や岐阜県立岐阜聾学校があり、教育機関が集まる文教地区の一角を占めています。また、かつての加納城址や岐阜地方気象台なども近くに位置しています。

交通アクセスとしては、岐阜バスの利用が便利です。岐南町線、尾崎団地線、北方河渡線などで「加納附属小学校前」バス停より徒歩約5分です。

伝統ある歴史と、特色ある教育活動を受け継ぎながら、岐阜のまちとともに歩み続けている小学校です。

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