岡山市立三門小学校

岡山市立三門小学校

岡山県岡山市北区下伊福西町に所在する岡山市立三門小学校は、「三門小」の愛称で親しまれている公立小学校です。地域社会との連携を重視する文部科学省指定のコミュニティ・スクールであり、学校、保護者、地域住民が一体となった学校運営が進められています。

地域の歴史と学校

学校が位置する三門学区は、古くから交通の要衝として栄えてきました。奈良時代には、都と大宰府を結ぶ重要な街道である「古代山陽道」が整備され、この地を外国の使節や高位の官人が行き来しました。当時はまだ平野部の多くが海であったため、三門、万成、大安寺にかけて広がる岡山西北部の山塊は「岩井島」と呼ばれていました。江戸時代に入ると、この道は「西国街道」として参勤交代にも利用され、街道沿いには旅人を迎える茶屋が設けられ、「三門だんご」や「三門刻みたばこ」といった名物も生まれたと伝えられています。このように、三門の地は歴史の変遷の中で常に人々の往来があり、文化や経済が育まれてきた地域です。このような豊かな歴史的背景を持つ土地で、三門小学校の子どもたちは日々を過ごし、学んでいます。

学校のあゆみ

三門小学校は、1952年4月1日に岡山市立石井小学校から分離する形で設立されました。開校当初は、新1年生63名、新2年生89名を受け入れました。翌1953年には新校舎が竣工し、5月2日に開校式典が盛大に挙行されました。その後も学校施設の整備は進められ、1954年8月には本館東校舎、1957年10月には講堂兼体育館がそれぞれ完成しました。

創立10周年を迎えた1962年には記念式典が行われ、学校の節目を祝いました。1969年3月には南館鉄筋校舎が増築され、施設の拡充が図られました。創立20周年（1972年）、30周年（1982年）、40周年（1992年）、50周年（2002年）、60周年（2012年）と、10年ごとに記念式典が開催され、その都度、学校の発展と歴史が顧みられてきました。

教育活動においても、三門小学校は積極的に取り組みを進めています。1965年には全国放送教育研究大会の会場となり、1978年には岡山市小学校教育研究会算数部会の研究発表会を行いました。また、1996年4月には特別支援学級（知的）が開設され、多様なニーズを持つ児童への対応が始まりました。健康推進にも力を入れており、1996年11月には全日本健康推進学校表彰会から「すこやか賞」を受賞、1997年1月には岡山県教育委員会より「特別健康推進学校」として表彰され、その功績を記念する碑も設立されました。さらに、2013年1月には岡山県学校安全推進学校として表彰されるなど、児童の安全・安心な学びの環境づくりにも努めています。

2002年3月には教育相談室が設置され、児童や保護者の相談に応じる体制が整備されました。地域との連携強化は特に重視されており、2004年10月に岡山市教育委員会より「地域協働学校づくり」事業の指定を受け、2007年4月には文部科学省から「コミュニティースクール推進事業」の委託、同年7月31日には正式に文部科学省コミュニティ・スクールに指定されました。また、2008年12月には岡山市人権教育推進指定事業を受けるなど、人権教育の推進にも積極的に取り組んでいます。

学校を取り巻く環境

三門小学校の通学区域は、岡山市北区内の広範な地域に及んでいます。具体的には、津倉町2丁目の一部、三門東町の一部、三門中町、三門西町、岩井宮裏、関西町、葵町、岩井1丁目・2丁目、下伊福上町、下伊福本町、下伊福西町、下伊福1丁目・2丁目、西崎本町、西崎1丁目・2丁目、高柳東町、高柳西町、大安寺南町1丁目の一部などが含まれます。

卒業生の多くは、地域の公立中学校である岡山市立石井中学校へ進学します。

学区内には、JR吉備線の備前三門駅があり、学校へのアクセスは良好です。その他にも、関西高等学校や創志学園高等学校といった教育機関、三門保育園や三門幼稚園、みかど貴ッズ保育園、岩井保育園といった複数の保育・幼児教育施設、三門小学校若草クラブ、三門児童センター、岡西公民館など、地域住民にとって身近な施設が多く立地しており、子どもたちの生活や学習を支える環境が整っています。

学校への交通アクセスは、JR吉備線備前三門駅南口から南へ徒歩約3分と非常に便利です。

著名な出身者

三門小学校からは、様々な分野で活躍する人材を輩出しています。中でも、小説家・キュレーターとして知られる原田マハ氏も、当校の卒業生の一人です。

三門小学校は、地域の歴史と文化を受け継ぎながら、コミュニティ・スクールとして地域と共に歩み、子どもたちの健やかな成長を育んでいます。

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