岡崎市民球場

愛知県岡崎市に位置する岡崎市民球場は、同市の中心的な運動施設である岡崎中央総合公園の一部を構成する野球場です。市民からは「岡崎レッドダイヤモンドスタジアム」の愛称でも親しまれています。

概要と特徴

この球場は、プロ野球の中日ドラゴンズによるオープン戦やウエスタン・リーグ公式戦、全国高等学校野球選手権愛知県大会（決勝戦を含む）、そして愛知大学野球リーグなど、プロフェッショナルからアマチュアまで、様々なカテゴリーの試合会場として豊富な実績を誇ります。

地方球場としては異例とも言えるほどの広大なグラウンド面積を有しており、特に中堅までの距離は126メートルと、日本のプロ野球の本拠地球場と比較しても最も深い設計となっています。しかしながら、収容人数が20,000人とプロ野球一軍の公式戦を開催するには十分ではない点や、公共交通機関によるアクセスがあまり便利ではない点などが、プロ野球一軍公式戦の開催を難しくしている要因とされています。

沿革

岡崎市民球場は1991年3月30日に竣工し、同年6月1日より本格的に供用が開始されました。

2021年12月には、岡崎市が進める「岡崎アスリート支援事業」の特典の一つとして、また岡崎市と三菱自動車工業との間で締結された「スポーツ振興に関する協定」に含まれる愛称命名権を行使する形で、新たな愛称の一般公募が実施されました。多くの応募の中から、最も得票数が多かった「岡崎レッドダイヤモンドスタジアム」が正式な愛称として選ばれ、現在に至ります。

施設詳細

球場施設は以下の仕様となっています。

構造: 本体RC造
グラウンドサイズ: 両翼 99.1m、中堅 126.0m
収容人数: 20,000人（内野席10,000人、外野芝生席10,000人）
フェンス: ラバー+ネット、高さ 2.8m
スコアボード: 電光式（3色LED表示、2008年以前は緑色表示）、投球スピード表示機能付き
フィールド: 内野：黒土混合土、外野：天然芝（ティフトン芝）
放送設備: バックネット裏上段に常設の放送ブースを設置（県内球場では珍しい）
照明: 照明塔 6基

社会人野球における位置づけ

特に社会人野球界においては、この球場は東海地区における重要な拠点としての役割を担っています。春季・秋季の東海地区大会や、社会人野球の二大大会である都市対抗野球および社会人野球日本選手権大会の東海地区二次予選の会場として頻繁に使用されています。

2010年には社会人野球日本選手権大会の全国大会第1ステージ（東海大会）の会場ともなりました。翌2011年も同様の予定でしたが中止となり、2012年以降は京セラドーム大阪一箇所での開催に変更されたため、当地での全国大会開催はこの一度のみとなりましたが、それでも東海地区アマチュア野球の中心地の一つとしての地位を確立しています。

プロ野球オープン戦開催実績（近年）

中日ドラゴンズのオープン戦が定期的に開催されています。

2008年3月11日：中日 3 - 0 西武 （観客数：5,380人）
2013年3月19日：中日 2 - 7 オリックス （観客数：4,483人）
2017年3月8日：中日 4x - 3 読売ジャイアンツ （観客数：8,149人）
2024年3月19日：中日 3 - 2 楽天 （観客数：8,883人）

アクセス

自動車を利用する場合、東名高速道路の岡崎インターチェンジから非常に近い場所に位置しています。

公共交通機関では、名鉄名古屋本線の東岡崎駅から名鉄バスの総合公園行き路線バスが運行されています。ただし、通常時の運行本数は1時間に1本程度と少なく、プロ野球オープン戦や高校野球などの大規模な試合開催時には、利用者の状況を見て増便を検討するという対応が取られています。

タクシーを利用する際は、東岡崎駅からは所要時間約20分で運賃は約2,000円程度、名鉄名古屋本線の美合駅からは所要時間・運賃ともに東岡崎駅よりやや少なく、約1,500円程度が見込まれます。

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