岡崎義恵

岡崎義恵とは

岡崎義恵（おかざき よしえ、1892年12月27日 - 1982年8月6日）は、日本における国文学や文芸学の発展に寄与した著名な学者であり、その業績は日本文学界において重要な位置を占めています。彼は文学博士として知られ、日本学士院の会員にも選ばれています。

生い立ちと略歴

高知市で生まれた岡崎は、東京帝国大学を卒業後、1923年に東北帝国大学の助教授に就任しました。後に東北大学の教授となり、1955年からは共立女子大学で教授職を務めました。また、1965年には日本学士院会員に選出されました。岡崎は、文学に美学を取り入れる「日本文芸学」を提唱し、文芸の分析と評価に新たな視点をもたらしました。

主な業績

文献学や日本の美学に基づく岡崎の研究は多岐にわたります。特に、1937年に谷崎潤一郎が『源氏物語』の現代語訳を刊行した際、光源氏と藤壺の密通の描写が削除されたことを厳しく批判したことが有名で、これにより彼の文芸への真摯な姿勢が浮き彫りになりました。また、彼の著作には『岡崎義恵著作集』全10巻をはじめとする多くの研究書があります。これらの著作は、彼の思想や文芸学的視点を深く理解するための重要な資料です。

著作一覧

岡崎義恵の著作は豊富であり、以下にいくつかの代表的な作品を挙げます。

• - 『日本文芸学』岩波書店 1935年
• - 『日本文芸の様式』岩波書店 1939年
• - 『美の伝統』弘文堂書房 1940年
• - 『芸術論の探求』弘文堂書房 1941年
• - 『日本芸術思潮』全3巻 岩波書店 1943-1950年
• - 『古代日本の文芸』弘文堂書房 1943年
• - 『芭蕉と西鶴』支倉書林 1946年
• - 『文芸学』弘文堂書房 1947年
• - 『泉声 歌集』弘文堂書房 1947年
• - 『芸術と思想』角川書店 1948年

岡崎の研究は、近代の文学や詩歌の解釈や考察においても高い評価を得ており、彼の研究は今も多くの研究者に影響を与え続けています。彼の視点は、日本の古典と近代文学の橋渡しをする重要な役割を果たし、その美学的アプローチは、今日の研究者にとっても刺激的なものとなっています。

終わりに

岡崎義恵は、ただ単に文芸学の研究者であるだけでなく、日本文学の在り方、さらにはその美への探索を通じて、多くの後進に影響を与えた学者です。彼の業績は今後も文芸学や国文学の分野において、変わらず重要な基盤として存在し続けることでしょう。

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