岡本氏宗

岡本 氏宗について

岡本氏宗（おかもと うじむね、生年不詳 - 天正13年3月25日）は、下野国における戦国時代の武将であり、対馬守を名乗っていました。彼の父親は岡本正重であり、家族には姉が塩谷義孝の側室として仕え、兄には正親、弟には光貞がいます。彼の生涯は、兄正親が追放された際に岡本勢を率いて戦に臨んだことで知られています。

薄葉ヶ原の戦い

天正13年（1585年）3月、岡本氏宗は宇都宮氏と那須氏の争いが激化する薄葉ヶ原の戦いに参加しました。この戦いは、時の政権争いの中でも特に重要なもので、氏宗は岡本勢を指揮する立場にありました。

3月8日には、山田城の山田辰業と共に塩谷勢の指揮を執り、那須資晴軍が進軍してくる金沢に対抗しました。岡本勢は百余騎で出陣し、那須方の先陣を務める沢村五郎率いる五十余騎との激しい戦闘を繰り広げましたが、那須方の兵力が三倍もあり、撤退を余儀なくされました。

最期の戦い

続く3月25日、宇都宮と那須の連合軍の大規模な戦闘が行われ、岡本氏宗は山田辰業と共に16騎を率いて那須勢に突撃しました。彼らは先陣を突破し、資晴がいる本陣に接近しました。この時、歴史書「那須記」には、岡本氏宗が資晴に迫ったことが記録されていますが、戦闘は激しさを増しました。

氏宗は福原資孝に襲撃され、高股を斬られてしまいます。その後、彼は馬に乗ろうとした瞬間、鞍の前輪に押し付けられ、首を取られて討死してしまいました。この戦闘において、彼の弟である光貞も那須勢の一員として参加しており、氏宗の死の瞬間を目撃していました。

岡本氏の系譜

「那須記」では、氏宗は「鎌足（藤原）大臣に三十七代岡本対馬守氏宗」と表記されています。この背景には、岡本氏が元々清原氏にルーツを持っていることが関係しています。氏宗や正親ら岡本一家が、藤原氏の出である玉生氏においてその系統を示す証拠とも解釈される点ですが、詳細は不明なままとされています。

このように、岡本氏宗は戦国時代の混乱の中で力強く戦い、彼の家系の重要性を示した武将であったと言えるでしょう。彼の戦死は、下野国の武士たちにとって大きな衝撃を与え、彼の名は今もなお語り継がれています。

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