岡本茂 (内務官僚)

岡本茂は、1898年（明治31年）に生まれ、1980年（昭和55年）に82歳で亡くなった日本の官僚、政治家です。旧姓は小野で、奈良県出身。後に岡本家の養子となりました。

1924年、京都帝国大学法学部政治学科を卒業後、文官高等試験に合格。翌年、同大学の法学部法律学科も卒業し、内務省に入省しました。滋賀県での勤務を皮切りに、島根県では各課長を歴任。その後、香川県や新潟県の警察部で特別高等警察課長を、満洲国では国務院民政部総務科長を務めるなど、地方行政や警察行政の中枢で活躍しました。さらに、内務省社会局事務官、滋賀県書記官・警察部長、警視庁衛生部長、保安部長、内務省計画局都市計画課長、地方局振興課長、大阪府書記官・総務部長、内政部長など、要職を歴任しました。

1944年7月には富山県知事に就任。戦時下の困難な状況下で、富山大空襲や終戦への対応に尽力しました。終戦直後の1945年10月には山口県知事に転任しましたが、1946年1月、公職追放となり、官界を退きました。

その後、1947年には皮革協会の専務理事に就任し、実業界での活動を開始。1952年の第25回[[衆議院議員総選挙]]で奈良県全県区から自由党公認で出馬し初当選を果たしました。以後、第28回、第29回、第31回総選挙でも当選し、衆議院議員を計4期務めました。国会議員としては、第1次池田内閣で通商産業政務次官、衆議院懲罰委員長などの要職を担いました。

また、皮革産業界の発展にも大きく貢献し、皮革産業中央会会長や皮革産業協会会長を歴任。経済団体連合会理事も務めるなど、産業界でも重要な役割を果たしました。1969年には、その長年の功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しています（勲三等からの昇叙）。

岡本茂は、官僚、政治家、実業家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の戦前・戦後を支えた人物の一人として、その名を歴史に刻んでいます。1980年9月30日、82歳で生涯を閉じました。その功績を称え、死没日をもって銀杯一組が贈られました。

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