岡田山古墳群

岡田山古墳群について

岡田山古墳群（おかだやまこふんぐん）は、島根県松江市大草町に存在する古墳群であり、特にその中でも1号墳および2号墳が国の史跡に指定されています。1号墳から出土した品々は、国の重要文化財にも認定されており、地域の歴史を語る重要な遺物となっています。

概要

岡田山古墳群は、意宇平野の南西端に位置する低丘陵、通称「岡田山」に築かれた古墳の集まりです。これまでに確認されているのは、古墳4基と箱式石棺3基の合計7基です。1915年に1号墳が発見され、その後1970年度には風土記の丘設置に伴って発掘調査が行われました。

この古墳群は、前方後円墳1基（1号墳）、円墳1基（2号墳）、方墳2基（5・6号墳）、そして3基の箱式石棺（3・4・7号墳）から構成されています。1号墳の特徴は、その墳丘が後方後方墳の形式を持ち、長さが24メートル（もしくは47メートル）である点です。大刀や銅鏡、耳環など多くの副葬品が出土しており、中でも「額田部臣」と名付けられた大刀は特に注目されています。

2号墳は直径44メートルという規模を持つ大型の円墳で、出雲地方では数少ない円墳の一つです。未調査のため詳細な情報はわかりませんが、方墳が多いこの地域において非常に独特な存在であると言えます。

築造時期

この古墳群の築造時期については、1号墳が古墳時代後期の6世紀後半頃、2号墳が中期の4世紀末から5世紀代にかけてとされています。1号墳から出土した「額田部臣」銘の大刀は、当時の地域社会の権力構造を把握する上での重要な資料と見なされています。このことから、岡田山周辺の被葬者は、大規模な首長に仕える役割を果たしていたと考えられています。

1965年には、1・2号墳は国の史跡に指定され、1985年には1号墳の出土品も国の重要文化財として認定されました。現在、これらの古墳は「島根県立八雲立つ風土記の丘」として整備されており、多くの人々に公開されています。

調査の歴史

岡田山古墳群の調査は、1915年に始まります。当時、土地の所有者によって1号墳が発掘され、副葬品が多数発見されました。その後も様々な専門家による調査が重ねられ、特に1960年代には保存運動が展開され、国の史跡指定などの流れへと繋がりました。

出土品

1号墳からは多様な副葬品が発見されており、耳環や金属製の大刀をはじめ、馬具や須恵器等が出土しています。これらの中でも「額田部臣」銘の大刀は、地域の文化や社会構造を知る上で非常に重要な役割を果たしています。出土品のいくつかは、現在、島根県立八雲立つ風土記の丘展示学習館にて展示されています。

周辺の文化財

岡田山古墳群の近隣には、他にも岩屋後古墳や御崎山古墳、団原古墳跡など重要な古墳が点在しています。これらの古墳もまた、地域の歴史を知る手掛かりとなります。

アクセス

岡田山古墳群へのアクセスは、松江駅からのバスが便利です。「風土記の丘入口」で下車し、そこから徒歩約5分の位置にあります。また、周辺には岡田山1号墳の出土品を展示する施設もあり、考古学に興味のある方には魅力的なスポットとなっています。

まとめ

岡田山古墳群は、出雲地域における古代の権力構造や社会の様子を理解するための重要な遺跡です。出土品や築造様式から当時の人々の生活を垣間見ることができ、今後の研究や保存活動にも期待が寄せられています。

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