岡田陽助

岡田陽助

岡田陽助（おかだ ようすけ）は、1959年9月25日生まれの日本のギタリスト、作曲家である。多様な音楽ジャンルにわたり活動を展開し、特に近田春夫が率いたバンドにおける貢献と、コミックバンド「MEN'S 5」でのユニークな活動で知られている。MEN'S 5では、今田太郎（こんだ たろう）という別名義でプレイヤーを務めている。

人物・来歴

東京都出身の岡田陽助は、1979年（昭和54年）に自身の音楽キャリアを本格的にスタートさせる。この年、彼はギタリストの窪田晴男、ボーカリストの福岡ユタカといった面々と共に「人種熱」というバンドを結成した。人種熱は活動の末、1981年（昭和56年）に発展的な形で解消。これを母体として、音楽プロデューサー兼ミュージシャンの近田春夫を中心としたバンド、「近田春夫&ビブラトーンズ」が結成された。岡田はここでもギタリストとしてバンドのサウンドを支えることになる。

ビブラトーンズでの活動期間中、岡田は作曲家としても力を発揮する。1982年（昭和57年）には、当時近田春夫がプロデュースを手がけていた歌手、平山みきのアルバム『鬼ヶ島』（Invitation）に楽曲を提供した。このアルバムに収録された「蜃気楼の街」や「電子レンジ」は、作詞を近田春夫、編曲を窪田晴男が担当しており、その後の活動にも繋がる共同制作が見られる。近田春夫&ビブラトーンズは1984年（昭和59年）1月にその活動を終えた。

ビブラトーンズ解散後も、岡田は音楽シーンでの活動を続けた。1986年（昭和61年）には、かつてジューシィ・フルーツでベーシストを務めた沖山優司のソロアルバム『HAKONIWA』（ソリッドレコード）のレコーディングに参加。サポートミュージシャンとしてもその技術を活かした。

1988年（昭和63年）には、再び近田春夫とのタッグが実現する。この年、岡田は近田春夫&ビブラストーン（後にビブラストーンとして活動）の結成に参加。ビブラストーンは、ヒップホップやファンクなどの要素を取り入れた斬新な音楽性で注目を集め、岡田はここでもギタリストとしてバンドのサウンドメイクに深く関与した。ビブラストーンとしての活動中、1993年（平成5年）には電気グルーヴのアルバム『FLASH PAPA MENTHOL』（キューンレコード）のレコーディングにも参加している。ビブラストーンは1996年（平成8年）に活動を停止した。

ビブラストーンの活動と並行して、岡田はもう一つの重要なプロジェクトを始動させる。ビブラストーンのテナー・サクソフォーン奏者であった佐藤公彦（淡谷三治）らと共に、1989年（平成元年）にコミックバンド「MEN'S 5」を結成したのである。MEN'S 5では、岡田は「今田太郎」名義で活動を開始。卓越した演奏技術とユーモアセンスを融合させたパフォーマンスは、異色の存在感を放った。MEN'S 5は長く活動を続け、2014年（平成26年）には結成25周年を迎えるなど、現在に至るまで精力的な活動を続けている。

ディスコグラフィ

岡田陽助は、自身のバンド活動に加え、作曲家として様々なアーティストに楽曲を提供している。

おもな楽曲提供

平山みき
『蜃気楼の街』
『電子レンジ』
（いずれもアルバム『鬼ヶ島』、1982年収録。作詞は近田春夫、編曲は窪田晴男が担当）
桐島かれん
『私は私』
（アルバム『ディスコ桐島』、1991年収録。作詞は桐島かれん）
ビブラストーン
『TVドラマはすべて現実?』
（シングル、1993年リリース。作詞・作曲を佐藤公彦と共に手がけた）
和久井映見
『愛しさのある場所』
（アルバム『愛しさのある場所』、1994年収録。作詞は戸沢暢美）
MEN'S 5
『“ヘーコキ”ましたね』
（シングル、1994年リリース。作詞は淡谷三治、作曲は淡谷 'n 太郎 盆帆名義）
副編ブラザーズ
『アニメ雑誌の編集は3日やったらやめられない』
（シングル、1995年リリース。作詞は小林治）

岡田陽助のキャリアは、人種熱、近田春夫&ビブラトーンズ、ビブラストーンといった実験的で影響力のあったバンドでの活動に加え、MEN'S 5でのコミカルかつ質の高い音楽性による活動という、非常に多様な側面を持っている。特にMEN'S 5における今田太郎としてのキャラクターは、彼の音楽的な幅広さと遊び心を示すものと言える。

外部リンク

MEN'S 5 公式サイト
* MEN'S 5 - Yahoo! ミュージック

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