岡部伊都子
岡部伊都子（おかべ いつこ、1923年3月6日 - 2008年4月29日）は、日本の随筆家です。大阪府大阪市に生まれ、相愛高等女学校を中退しました。
彼女の人生に大きな影響を与えたのは、婚約者を沖縄戦で失った経験です。この体験から、自身を「加害の女」と捉え、「女は被害者ではない。送り出した自分も戦争に加担した」という独自の視点を持つようになりました。この言葉は、戦争における個人の責任を問い、従来の被害者意識に捉われない、深い自己批判の精神を表しています。
戦後、結婚生活を送るも7年後に離婚。その後、同人誌『文学室』に参加し、文筆活動を本格化させます。谷沢永一は、岡部の才能を最初に認めたのは自分だと述べています。
1954年から朝日放送の番組「四百字の言葉」の原稿を担当し、これをまとめた『おむすびの味』（1956年）で作家として認められました。彼女の作品は、美術、伝統、自然、歴史、戦争、沖縄、差別、環境問題など、多岐にわたるジャンルを扱い、その深い洞察力と独特の語り口で多くの読者を魅了しました。
代表的な著作には、『岡部伊都子集』全5巻（岩波書店、1996年）や『岡部伊都子作品選・美と巡礼』全6巻（藤原書店、2000年）などがあります。これらの作品集には、彼女の幅広い関心と深い思索が凝縮されています。
2008年4月29日、肝臓がんのため85歳で逝去しました。彼女の作品は、落合恵子や佐高信など、多くの愛読者に支持され続けています。特に、落合と佐高は『岡部伊都子集』の編纂にも携わりました。
岡部伊都子の作品は、単なる随筆にとどまらず、社会に対する鋭い問題提起や、人間の内面を深く掘り下げる考察が含まれています。彼女の言葉は、今もなお、多くの人々に影響を与え続けています。
主な著書には、以下のようなものがあります。
『おむすびの味 正続』創元社 1956
『いとはんさいなら』創元社 1957
『蝋涙』創元社 1957
『言葉のぷれぜんと』創元社 1958
『白』新潮社 1959
『十代の質問』創元社 1959
『いのちの襞』新潮社 1961
『観光バスの行かない… 埋もれた古寺』新潮社 1962
『古都ひとり』新潮社 1963
『花の寺 正続』淡交新社 1963-65
『風さわぐ かなしむ言葉』新潮社 1964
『美の巡礼 京都・奈良・倉敷』新潮社 1965
『秋篠寺法華寺』淡交新社 1965
『美のうらみ』新潮社 1966
『奈良残照の寺』淡交新社 1966
『京の寺』保育社カラーブックス 1966
『女人歳時記』河原書店 1967
『美を求める心』講談社 1967
『鳴滝日記』新潮社 1968
『仏像に想う』梅原猛共著 朝日新聞社 1968
『水かがみ』淡交社 1968
『わが心の地図』創元社 1969
『鈴の音』創元社 1970
『おりおりの心 理想への振子』大和書房 1970
『女人の京』新潮社 1970
『列島をゆく』淡交社 1970
『蜜の壷』創元社 1971
『秋雨前線』大和書房 1972
『二十七度線 沖縄に照らされて』講談社現代新書 1972
『心象華譜』新潮社 1972
『御伽草子を歩く』新潮社 1973
『難波の女人』講談社 1973
『北白川日誌』新潮社 1974
『四季の菓子』読売新聞社 1975
『あこがれの原初』筑摩書房 1975
『こころをばなににたとえん』創元社 1975
『玉ゆらめく』新潮社 1975
『京の川』講談社 1976
『京の手みやげ』新潮社 1976
『紅しぼり』創元社 1976
『小さなこだま』創元社 1977
『小さないのちに光あれ 花のすがた』創元社 1977
『小さないのちに光あれ』大和書房 1978
『女人無限』創元社 1979
『暮しの絵暦』創元社 1979
『ふしぎなめざめにうながされて』大和書房 1979
『暮しのこころ』創元社 1979
『自然の象』創元社 1980
『鬼遊び』筑摩書房 1981
『野の寺山の寺』新潮社 1981
『あしかびのいのち』PHP研究所 1981
『心のふしぎをみつめて』筑摩書房 1982
『野菜のこよみ・くだものの香り』創元社 1982
『シカの白ちゃん』筑摩書房 1983
『紅のちから』大和書房 1983
『みほとけ・ひと・いのち』法藏館 1984
『京の地蔵紳士録』淡交社 1984
『上方風土とわたくしと』大阪書籍 1984
『賀茂川のほとりで』（全4巻）毎日新聞社 1985-90
『優しい出逢い』海竜社 1985
『風ありて 伊都子短章』創元社 1986
『いのち明かり』大和書房 1987
『伊都子南島譜』海風社 1988
『お話ひとこと』冬樹社 1988
『言の葉かずら』冬樹社 1989
『うぐいす生きて』孔芸荘 1990
『露きらめく 伊都子短章』創元社 1991
『ひとを生きる』海竜社 1992
『生きるこだま』岩波書店 1992
『沖縄からの出発 わが心をみつめて』講談社現代新書 1992
『こころからこころへ 2巻』弥生書房 1993-94
『夢をつらねる』毎日新聞社 1994
『出会うこころ』淡交社 1994
『朱い文箱から』岩波書店 1995
『流れゆく今』河原書店 1996
『岡部伊都子集』全5巻 岩波書店 1996.5
『沖縄の骨』岩波書店 1997
『こころ花あかり』海竜社 1998
『水平へのあこがれ』明石書店 1998
『能つれづれこころの花』檜書店 1999
『未来はありますか おもいを語る』 昭和堂 1999
『思いこもる日々』藤原書店 2000
『京色のなかで』藤原書店 2001
『弱いから折れないのさ』藤原書店 2001
『賀茂川日記』 藤原書店 2002
『朝鮮母像』 藤原書店 2004
『まごころ 哲学者と随筆家の対話』鶴見俊輔共著 藤原書店 2004
『岡部伊都子作品選・美と巡礼』全5巻 藤原書店 2005
『みほとけとの対話』淡交社 2005
『遺言のつもりで 伊都子一生語り下ろし』藤原書店 2006
『ハンセン病とともに』藤原書店 2006
『伊都子の食卓』 藤原書店 2006
* 『清らに生きる 伊都子のことば』藤原書店 2007
彼女の人生に大きな影響を与えたのは、婚約者を沖縄戦で失った経験です。この体験から、自身を「加害の女」と捉え、「女は被害者ではない。送り出した自分も戦争に加担した」という独自の視点を持つようになりました。この言葉は、戦争における個人の責任を問い、従来の被害者意識に捉われない、深い自己批判の精神を表しています。
戦後、結婚生活を送るも7年後に離婚。その後、同人誌『文学室』に参加し、文筆活動を本格化させます。谷沢永一は、岡部の才能を最初に認めたのは自分だと述べています。
1954年から朝日放送の番組「四百字の言葉」の原稿を担当し、これをまとめた『おむすびの味』（1956年）で作家として認められました。彼女の作品は、美術、伝統、自然、歴史、戦争、沖縄、差別、環境問題など、多岐にわたるジャンルを扱い、その深い洞察力と独特の語り口で多くの読者を魅了しました。
代表的な著作には、『岡部伊都子集』全5巻（岩波書店、1996年）や『岡部伊都子作品選・美と巡礼』全6巻（藤原書店、2000年）などがあります。これらの作品集には、彼女の幅広い関心と深い思索が凝縮されています。
2008年4月29日、肝臓がんのため85歳で逝去しました。彼女の作品は、落合恵子や佐高信など、多くの愛読者に支持され続けています。特に、落合と佐高は『岡部伊都子集』の編纂にも携わりました。
岡部伊都子の作品は、単なる随筆にとどまらず、社会に対する鋭い問題提起や、人間の内面を深く掘り下げる考察が含まれています。彼女の言葉は、今もなお、多くの人々に影響を与え続けています。
主な著書には、以下のようなものがあります。
『おむすびの味 正続』創元社 1956
『いとはんさいなら』創元社 1957
『蝋涙』創元社 1957
『言葉のぷれぜんと』創元社 1958
『白』新潮社 1959
『十代の質問』創元社 1959
『いのちの襞』新潮社 1961
『観光バスの行かない… 埋もれた古寺』新潮社 1962
『古都ひとり』新潮社 1963
『花の寺 正続』淡交新社 1963-65
『風さわぐ かなしむ言葉』新潮社 1964
『美の巡礼 京都・奈良・倉敷』新潮社 1965
『秋篠寺法華寺』淡交新社 1965
『美のうらみ』新潮社 1966
『奈良残照の寺』淡交新社 1966
『京の寺』保育社カラーブックス 1966
『女人歳時記』河原書店 1967
『美を求める心』講談社 1967
『鳴滝日記』新潮社 1968
『仏像に想う』梅原猛共著 朝日新聞社 1968
『水かがみ』淡交社 1968
『わが心の地図』創元社 1969
『鈴の音』創元社 1970
『おりおりの心 理想への振子』大和書房 1970
『女人の京』新潮社 1970
『列島をゆく』淡交社 1970
『蜜の壷』創元社 1971
『秋雨前線』大和書房 1972
『二十七度線 沖縄に照らされて』講談社現代新書 1972
『心象華譜』新潮社 1972
『御伽草子を歩く』新潮社 1973
『難波の女人』講談社 1973
『北白川日誌』新潮社 1974
『四季の菓子』読売新聞社 1975
『あこがれの原初』筑摩書房 1975
『こころをばなににたとえん』創元社 1975
『玉ゆらめく』新潮社 1975
『京の川』講談社 1976
『京の手みやげ』新潮社 1976
『紅しぼり』創元社 1976
『小さなこだま』創元社 1977
『小さないのちに光あれ 花のすがた』創元社 1977
『小さないのちに光あれ』大和書房 1978
『女人無限』創元社 1979
『暮しの絵暦』創元社 1979
『ふしぎなめざめにうながされて』大和書房 1979
『暮しのこころ』創元社 1979
『自然の象』創元社 1980
『鬼遊び』筑摩書房 1981
『野の寺山の寺』新潮社 1981
『あしかびのいのち』PHP研究所 1981
『心のふしぎをみつめて』筑摩書房 1982
『野菜のこよみ・くだものの香り』創元社 1982
『シカの白ちゃん』筑摩書房 1983
『紅のちから』大和書房 1983
『みほとけ・ひと・いのち』法藏館 1984
『京の地蔵紳士録』淡交社 1984
『上方風土とわたくしと』大阪書籍 1984
『賀茂川のほとりで』（全4巻）毎日新聞社 1985-90
『優しい出逢い』海竜社 1985
『風ありて 伊都子短章』創元社 1986
『いのち明かり』大和書房 1987
『伊都子南島譜』海風社 1988
『お話ひとこと』冬樹社 1988
『言の葉かずら』冬樹社 1989
『うぐいす生きて』孔芸荘 1990
『露きらめく 伊都子短章』創元社 1991
『ひとを生きる』海竜社 1992
『生きるこだま』岩波書店 1992
『沖縄からの出発 わが心をみつめて』講談社現代新書 1992
『こころからこころへ 2巻』弥生書房 1993-94
『夢をつらねる』毎日新聞社 1994
『出会うこころ』淡交社 1994
『朱い文箱から』岩波書店 1995
『流れゆく今』河原書店 1996
『岡部伊都子集』全5巻 岩波書店 1996.5
『沖縄の骨』岩波書店 1997
『こころ花あかり』海竜社 1998
『水平へのあこがれ』明石書店 1998
『能つれづれこころの花』檜書店 1999
『未来はありますか おもいを語る』 昭和堂 1999
『思いこもる日々』藤原書店 2000
『京色のなかで』藤原書店 2001
『弱いから折れないのさ』藤原書店 2001
『賀茂川日記』 藤原書店 2002
『朝鮮母像』 藤原書店 2004
『まごころ 哲学者と随筆家の対話』鶴見俊輔共著 藤原書店 2004
『岡部伊都子作品選・美と巡礼』全5巻 藤原書店 2005
『みほとけとの対話』淡交社 2005
『遺言のつもりで 伊都子一生語り下ろし』藤原書店 2006
『ハンセン病とともに』藤原書店 2006
『伊都子の食卓』 藤原書店 2006
* 『清らに生きる 伊都子のことば』藤原書店 2007
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